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花と緑がもたらす癒しの効果

新型コロナウイルスの影響が続く中、花や緑を購入する人が増えています。
家の近くのホームセンターでは売り場が拡大している印象があります。

⼀般社団法⼈花の国⽇本協議会が2020年4月から5月に、950人を対象に実施したアンケート調査では、9割の人が「花やグリーンを飾りたい」気持ちが増加し、65%の人が「ものすごく飾りたくなった」と回答していました。飾りたい理由を複数回答で尋ねた結果は、「癒されたい」90%、「元気をもらいたい」72%でした。(文献1)

花や緑は本当に人を癒し、元気を与えるのでしょうか。

ロックダウン中のブルガリアで大学生323名を対象に「過去2週間の抑うつ症状、不安症状」と「家の中の観葉植物の数、家から見える緑の割合、家庭菜園の有無、近所の緑の有無」についてのオンライン調査では、自宅や近所に緑が多いことは、抑うつ・不安症状の軽減、抑うつ・不安率の低下と関連があったと報告しています。(文献2)

高齢者介護施設の入居者の精神的健康と庭木などの緑についてのシステマティックレビューでは、9件の論文のうち、7件は庭の利用などによる緑との関わりと入居者のQOLなど精神的幸福に肯定的な関連がありました。また、うつ病について調べた論文では、庭の利用によりうつ病が軽減されたと報告されています。しかし、ストレスの生理的指標(血圧、心拍数など)と庭の利用との関連性は認められませんでした。この論文では、信頼性の高いメンタルヘルスの測定方法に基づいた、より強固なエビデンスが必要であると指摘しています。(文献3)

花や緑は、リラックス効果以外にも空気清浄や育てる喜びを得られるなど、人にとってのメリットが多く語られています。
もうしばらく、お家時間が続きそうです。ご自宅やご近所で花や緑と触れ合う時間を増やしてみてはいかがでしょうか。

引用文献
1)花の国日本協議会プロモーション推進室(2021年5月30日アクセス)http://hananokuni.jp/wp/wp-content/themes/fjc_theme2016/pdf/info-release/STAYHOMEwithFLOWERS_survey20200520.pdf

2)Environ Res. 2021 May;196:110420. doi: 10.1016/j.envres.2020.110420.

3)Aging Ment Health. 2020 Jan;24(1):1-7. doi:10.1080/13607863.2018.1516193.

                           (内海桃絵)  

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