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Let‘s enjoy yoga!

 新型コロナウイルスの感染拡大を予防するために、3密回避やソーシャルディスタンスを保った行動が推奨されるようになってから、気付けば1年が経とうとしています。この1年で私たちの日常生活も大きく変わり、新しい生活様式に徐々に適応してきているとはいえ、思うように行動できない日々にストレスを感じている方も多いのではないでしょうか。
 そこで、本稿ではストレスを軽減させる方法として、ヨガの効果に関するシステマティックレビュー1)(以下、SR)を紹介します。
 
SRの概要
【目的】ヨガがストレス反応に及ぼす影響を明らかにすること。
 P:対象の限定なし
 I:ヨガ
 C:ヨガ以外の活動
 (健康教育、エアロビクスやストレッチなどの運動など)
 O:ストレス反応
 (コルチゾールなどの内分泌系の指標、心拍や血圧などの自律神経系の
   指標、空腹時血糖や脂質に関する指標)
【方法】ヨガとヨガ以外の活動がストレス反応に及ぼす影響を比較したRCTを対象文献とし、7つのデータベース(MEDLINE, AMED, CINAHL, PsycINFO, SocINDEX, PubMed, and Scopus)を用いて、2016年に検索した。
【結果】42件の文献(n=2944)が本SRの目的に合致した。ヨガは、ヨガ以外の活動と比較した際に、ストレスホルモンの一種である起床時のコルチゾールの分泌(MD (CI)=-1.51 (-2.83,-0.19), p=0.03, I2=0%)、就寝時のコルチゾールの分泌(MD (CI)=-0.88 (-1.75,-0.01), p=0.048, I2=14.95%)を低下させ、安静時心拍数(MD (CI)=-3.2 (-4.16,-2.25), p<0.001, I2=20.55%)も低下させた。さらに、ヨガは、空腹時血糖(MD=-4.53, p<0.001, I2=0%)を低下させ、効果量は低いがコレステロール(p=0.01, I2=0%)、低密度リポタンパク質(LDL)(p<0.01, I2=0%)も低下させた。
【結論】ヨガは、様々な対象に対して、神経内分泌系システムを整え、ストレス反応を低下させることが示唆された。

 個人的には、ヨガを行った後の達成感と爽快感がたまらなくて、ヨガはストレス発散に効果的だと思っていましたが、数値で見てみると、有意差はあるものの、微々たる変化のように感じてしまうのは私だけでしょうか。
 ヨガの強度、継続時間、頻度、具体的な方法については、本SRでは触れられていなかったので、今後の調査が期待されるところですが、しばらくは自宅でオンラインヨガを楽しみ、ストレスを発散させたいと思います。
                           (文責:松中)

引用文献
1) Pascoe MC, Thompson DR, Ski CF. Yoga, mindfulness-based stress reduction and stress-related physiological measures: A meta-analysis. Psychoneuroendocrinology. 2017; 86: 152-168.

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