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ジャーナル「JBI Evidence Synthesis」

皆さん、こんにちは。今日は我々の母団体であるJoanna Briggs Institute (JBI)が発刊している雑誌の1つである「JBI Evidence Synthesis」(https://journals.lww.com/jbisrir/pages/default.aspx)について、ご紹介したいと思います。

これまでも、JCEBPの活動やシステマティックレビューについてご紹介してきましたが、我々の主な活動の1つは、実際にシステマティックレビューを行うことです。
しかし、いくら立派なシステマティックレビューを行っても、その結果を世界の研究者と共有しなければ意味がないわけですから、もちろんどこかの学術雑誌に投稿し、掲載まで持っていくことになります。
世界中の多くの学術雑誌において、システマティックレビューは投稿が推奨される論文形態の1つです。それはシステマティックレビューが比較的引用されやすく、雑誌のインパクトファクターを高めることに寄与するからだと思います。
一方で、質の高いシステマティックレビューを行ったり、評価するためには、十分な知識やトレーニングが必要になります。そのため、すべての学術雑誌において、投稿されたシステマティックレビューに対する適切な査読が行われているか、という点には疑問が残ります。
特に、看護学分野が対象とする事象や現象に関連する方法論ごとのシステマティックレビューを評価することは容易ではありません。

JBI Evidence Synthesisでは、システマティックレビューのプロトコル(計画書)から投稿することが可能です。
システマティックレビューの実施には多大な労力がかかるので、計画段階で問題を抱えたまま実施して、投稿してから問題に気が付いてはもったいないわけです。
JBI Evidence Synthesisにプロトコルを投稿し、査読を受けることで、先に問題となる箇所や考え方の修正につながり、質の高いシステマティックレビューを実施することが可能になります。
プロトコルはフリーで閲覧可能となっていますので、システマティックレビューを計画している方は、JBI Evidence Synthesisから自分と類似したレビューの方法を見て、参考にすることも可能です。

ちなみに、JBI Evidence Synthesisへのプロトコルの投稿には1000USDがかかりますが、JCEBPをはじめとする連携機関のメンバーが共著者に入っている場合は免除となります。

古藤雄大

画像:いらすとや 論文のイラスト 束


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