マヌカン
突然ハウスマヌカンという言葉を思い出した。ハウスマヌカンとは、今でいうところのショップ店員、ショップスタッフなど、ファッショナブル洋服屋のファッショナブル店員だ。80年代くらいは、何故か分からないが、ファッショナブル店員をハウスマヌカンと呼んでいた。バブルな時代は、若い女子達の憧れの職業であり、流行の最先端を行く職業であった。しかし、現在、ハウスマヌカンという人は勿論、ハウスマヌカンという言葉すら聞かなくなった、と思う。隆盛を極めたハウスマヌカン達はどこへ消えてしまったのだろう。
アフリカのサバンナでは鼻のない象の死骸が見つかることがある。マサイ族では「ハウスマヌカンが現れた」と言って恐れ、暫くの間夜間の外出は避けるという。長老の話によると、野生化したハウスマヌカンは獰猛で象の鼻を好んで食べるということだ。
兵庫県の山でハウスマヌカンを見たという情報が稀に報告されている。自治体では、村興しを兼ねてハウスマヌカンの生け捕りに2億円の賞金が懸けられているが、まだ捕獲した人はいない。
アメリカのエリア51と呼ばれる地域では、空飛ぶハウスマヌカンが頻繁に現れるという。未確認飛行ハウスマヌカン、略してUFHだ。車に乗っていたらハウスマヌカンに追跡されただの、ハウスマヌカンに拉致されて金属的な物を埋め込まれただの怪しげな噂が後を絶たない。
佐渡トキ保護センターは、現在一部がハウスマヌカン保護センターになっているという。ハウスマヌカン保護センターでは、ハウスマヌカンの繁殖が試みられているが、国家の極秘プロジェクトなので公表されていないとのことだ。
今年の夏、フランスのローヌ地方で世界最大となるハウスマヌカンの化石が発掘された。古生物学者によると生物史を塗り替える発見だということだ。現在、上野の博物館で開催中の世界のハウスマヌカン展で化石が公開されている。
気象の大変動で滅びたとも巨大隕石の衝突で滅びたともいわれるハウスマヌカン。今でも人々の心の中で生き続けていることを信じたい。