ダウ式

経済や株価のニュースでよく聞く「ニューヨークダウ」。「ダウ」とはダウ式平均株価のことだ。必ずしもニューヨークである必要はない。しかし、ダウといえばニューヨークのような気がする。「パリダウ」、「東京ダウ」は何か違う気がする。証券会社に勤める人や投資家などは、「やっぱりダウといえばニューヨークだよな」、「俺はニューヨークのダウ以外は認めねえ」とかいう話が当たり前のように出ていることだろう。
本場ニューヨークのダウを語る証券マン。エリート社員の証だ。私はダウ式の方は無理なので、別なダウでそんな会話に加わり、エリートぶりを見せ付けたい。

最近、蕎麦の薬味として注目されているのが、ダウだ。つゆに刻みネギと一緒に、刻みダウをたっぷり入れて食べる蕎麦。引き立つ香りとコシ、そして喉越し。それがニューヨーク流の食べ方。日本でもニューヨークから取り寄せたダウで蕎麦を食べさせる店が出てきて蕎麦通を唸らせている。

銀座を歩く女性達に流行のファッションがダウだ。フサフサしたフェイクファーで作られたマフラー状のダウを首に巻くファッション。勿論、ニューヨーク発の最新ファッションだ。

「今日からこのクラスに入ることになった転校生を紹介する。じゃあ、自己紹介をしてくれ」
クラス中の視線が転校生に注がれる。
「初めまして、山本ダウです。ニューヨークから来ました」

隣に住むうらぶれたお爺さん。その昔、ニューヨークで一番のダウだったらしい。今でこそしょぼくれているが、それはもう物凄い活躍だったとの話だ。未だにその世界の人から、ダウの誘いを受けるらしいが、再びダウの土を踏む気はないようだ。

ダウ式ではないが、そこにある確かなダウ。この話でエリート社員の会話に切り込んでいきたい。

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