22年前、大腸がんが見つかって、私の人生は変わった(3)
今回も、合同会社JC1の碓井郁人です。カリフォルニア時代の先輩に僕の大腸がんのこと話すと、こんな言葉をいただきました。「一病息災」。広辞苑には、無病で健康な人よりも、一つぐらい病気のある人の方が健康に気を配るので長生きできると書いてあります。
この字のごとく、僕は、カラダの声に耳を傾けながら、二度と再燃させないぞ、という静かな意気込みと固い決意で食生活を変えました。その先輩は病に関しても先輩で、白血病と戦っていました。残念ながらその病魔に勝てず、アメリカの地で他界しました。日本から花を贈り、いただいた言葉を彼の分まで頑張ろうと心に誓いました。
ロサンゼルス(LA)で駐在中からお世話になったドクターは消化器内科の専門医でした。日本の病院で切除した後、LAを訪れた機会にセカンドオピニオンを聞いてみようとクリニックに出向き、話をしてみますと、「私だったら、余分にざっくり切り取りますね、将来のことも考慮して」という意見でした。医者の意見はさまざまだと実感すると同時に、がんの再燃は甘くないのだ、いい加減では悲しいことになる!と気を引き締めるきっかけとなりました。
腸は脳に直結していると言います。腸と脳はお互いに連携してカラダをコントロールしているので、腸の具合が悪いと、脳が司る判断力も狂うそうです。腸を大切に労らなきゃと思い、植物性メインの食事やローフードの割合を増やすことは、僕のカラダを変えていってくれました。そのバロメーターになったひとつは「宿便」です。
朝のトイレで絶対に宿便を残さない!個室でのその強い思いは、他人に理解いただく必要もありません。孤独な世界です。そんな朝の結果が1日の活動を占うのですが、ローフードの世界に入ってからは、9割以上は「良好」、BMIで導き出す適正体重も自然と維持できるようになりました。
宿便を残さない爽快感のおまけは、オナラが臭くないということです。物心ついた時から、それは臭いものだと思っていました。ほとんどの人はそうではないでしょうか?でも、そうじゃなかったんです。本来ガスは臭くないのです。匂いがする場合はカラダに問題あり!黄色信号だと思っていいのではないでしょうか。(あくまで持論ですが。)
腸を大事にしようと思い、自然栽培野菜、ローフード料理を増やしてきました。すると前回お伝えしましたように、カラダが喜ばないものを自然に排除していたのです。消化にかかるエネルギーをできるだけ節約できているおかげで、代謝が非常に良くなったと思われます。
代謝とは、各臓器、部位の生命活動に関わるあらゆる化学反応のことですが、消化・吸収が十分できると、排泄の時も消化不良で出口にたどり着いてしまう食べ物がほとんどないような気がします。だから腐敗しないのだと思います。腐敗させるものがないのです。なので、匂いの素が以前に比べて激減した、そんなふうに感じます。
もし、消化が十分にできていない状態が毎日続こうものなら、出口近くで、体温(約37度)により長時間温められて、薬まみれの食材が悪臭を放つ!それが常態化してしまう!そんな世界にはもう戻りたくないですね。ホンマかいな?と思う方、僕と同じようなカラダにチェンジしたい方は、僕の体験を直接お話ししますので、コメントなどいただければと思います。
リスが穴を掘って、「食べ物」を埋める理由
LAに住んでいた時、家の庭に時折リスがやってきて、土を掘っている光景を目にしました。可愛いですよね。一生懸命、穴を掘って何かを隠すんですよ。どこかでゲットした植物の「種」です。食糧ですね。僕は冬眠の準備だと思っていました。しかし、カリフォルニアの温暖な気候であれば、リスは冬眠の必要がありません。なのに、どうして?昔からの遺伝かな、とも思いました。気になって調べてみました。
リスの行為は、冬眠の準備ではなかったんです。食後の消化を良くして、消化のエネルギーを節約できるように、種を地中にしばらく埋めて、「発芽抑制因子」をオフにしているのでした。種はある一定の条件が揃って初めて発芽します。普段は、発芽はロックされているんです。すぐに発芽してばかりいると、その植物は遠い場所に種(しゅ)を残せないからです。
リスがもし、生のままの種を毎日食べていたら、うまく消化できず、体にダメージを抱えてしまったでしょう。リスたちはこのことを知っていて、自分のカラダを労っている。それは、自然の摂理なんだということを知りました。
僕たちは、正しい知識を学んできませんでした。カラダの仕組みを学ぶことをおろそかにしてきました。社会に次々に出回る便利なもの、美味しいものを、素晴らしいものだと錯覚してきました。自然界に逆らっています。僕もその流れに乗っかって、結局、がんになりました。しかし、今は、この状況をどうすれば良いかわかっています。少なくとも自分のカラダについては。そのことを、一人でも多くの方にお伝えしたいと思っています。