愛がほしいはずなのに
「あなたを失ったら私はもう生きていけない」
あなたは泣きながらそう言った
あなたは毎日私のことをどれほど好きかを私に教えてくれた
その度に私はうれしいとは別の感情を抱いた
‘私も、こんな風に誰かを愛したい’
それは羨望に似たものだった
愛される自分をなかったことにして愛するあなただけを見て純粋に、いいなと思った
付き合う前のあなたは何に対しても無感情で周りに合わせて流されて生きやすそうで
こだわりなんてものは何にもないように見えた
私のせいであなたはきっと変わってしまったね
無限の愛を私に注いでは
ひどく悩み苛立ちを隠さずにいろんな感情があなたの中でうごめいていた
好きじゃなかった、なんて残酷だと笑ったあなたを
私はどうしても愛しいとは思えなくて
離れてほしい、と何度もあなたに伝えたのに
執着のような恋をして
私もあなたも神経をすり減らして
そこに全く幸せは存在していないでしょう?と諭したのに
「僕はあなたが側にいるだけで幸せなんだ」と
どうしても諦めきれないと何度も縋り付いた
あなたの幸せは私には決められないけれど
私はあなたと離れて少なからず幸せだと思ったよ
そしてもう寂しさから人を欲することをやめようと誓った
さようなら
私をひどく愛してくれていたのに