誰かが私を救うのではないらしい
「誰かこのまま私をどこかへ連れて行って」
今の現状をずっと不満に思って
いつも誰かが私をこの世界から連れ出すことを夢に見ていた
生まれてからずっとそう願っていたけれど
そんな誰かは現れないらしい
「何か困ったことがあったら言ってね」
そんな風に笑いかけてくれる人たちが必ず私を救うわけではない
新卒で入社した会社でのパワハラ、セクハラ、不眠、過食症
みるみる変わっていく私の見た目を笑う人だっていた
みるみる落ちていく私の心が表に現れても誰も私を見ようとはしてくれなかった
「あの子は愛想が悪い」
「あの子はああいう性格」
違うよ、私はもっと明るくて、もっと元気で。
そう思いながらそれを証明することに疲れて
無気力なまま数年間を過ごした
私の悩みを聞いた周りの人たちは
「そう考えると僕は幸せだね」
「病みすぎでしょ笑」
と追い打ちをかけるような言葉を投げかけてきた
人の汚い部分に触れた
誰かに頼っていてはもっと暗い海の底へ突き落とされることに気づいた
私は私を守るために勉強をした
人間の体の仕組み、心の仕組み、脳の仕組み
それを理解して私は徐々に当たり前に幸せな生活を取り戻した
私を救うのは私
私はまた1人の道を極めてしまうらしいが
これが私の幸せなのだ