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vol.579 「あなたにベストな商品!」「私にベストだと誰が決めたの?」(稲田)2024/6/25

制作ユニットの朝礼では気になった記事を紹介するコーナーがあります。今日、同僚から紹介してもらった『STPは通用しない。Z世代、α世代に向けたマーケで押さえるポイント』で印象的な箇所がふたつほどありました。

「あなたにベストな商品!」というメッセージは「私にベストだと誰が決めたの?」と押し付けに受け取られてしまうことがあるように、生活者たちそれぞれが自分の好きな世界観や思いを溶け込ませられる余白があるほうが、受け入れられるのです。

この変化を踏まえると、属性からターゲットグループを設定するSTPマーケティングはもはやあまり効果を発揮せず、コミュニティー内でのアイデンティティーを中心とするマーケティングが主流になっていくことを象徴しています。

世代論として捉えることもできますが、ぼくは「時代の風潮」として捉えました。ぼくはZ世代でもα世代でもありませんが、上記の気分はよくわかります。今の若者の特性というよりも、時代の気分としてそうなりつつある。

「あなたにベストな商品!」
「私にベストだと誰が決めたの?」

この感覚は言い得て妙ですよね。ぼくはばっちりおじさんですが、すごくよくわかる。「あなたにベストな商品!」なんて言われたら、「近い近い!もっと離れて!」と思ってしまう。こう考えると今の時代、企業のプロモーションやマーケティング、営業活動において「距離感」が重要になってきているのかもしれません。

距離感とひとことで言っても、その感じ方はひとそれぞれです。しかも、同じメッセージでも「誰に言われるか」でも感じ方は全然ちがう。Aさんに言われたら近すぎるけれど、Bさんが言うなら大丈夫ということは普通にありますよね。ぼくなんてしょっちゅうです。距離感は内容でも変わるし、相手によっても変わる。それはつまり、共有しているコンテクストで距離感は変わるということです。下記の一文はそれについて言っているのだろうとぼくは解釈しています。

コミュニティー内でのアイデンティティーを中心とするマーケティングが主流になっていくことを象徴しています。

これからの企業はユーザーとの「距離感」が無視できなくなるだろうし、そのためにも共有できる「コンテクスト」をいかに作っていくかに取り組まざるを得なくなるんだろうなと思います。何の根拠もありませんが。

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