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「強く、誰からも愛される・応援されるチーム」を目指して〜ブラインドサッカー男子日本代表チームへの想い〜

ブラインドサッカー男子日本代表が、ロサンゼルス2028パラリンピック競技大会(以下、ロス大会)に向けて新たな一歩を踏み出しました。

日本ブラインドサッカー協会(以下、JBFA)は2024年11月18日に中川英治監督の続投を発表、12月18日には記者会見を開催しました。そして2025年1月11日から13日にかけて、パリ2024パラリンピック競技大会(以下、パリ大会)後、初の合宿を実施しました。さらに1月14日には、同チームが参加する「IBSA ブラインドサッカーエリートカップ2025 in うめきた」(5月18日~5月25日・大阪市)の開催を発表しました。

2024年12月18日に実施をした記者会見の様子
(左から専務理事 松崎英吾、監督 中川英治、ハイパフォーマンスディレクター 魚住稿)

中川監督続投決定までの道のり

パリ大会後の男子日本代表監督選定は、実はパリ大会前から準備が進められていました。2024年6月にJBFAは「監督指名準備委員会」を設置、9月から本格的な議論を開始しました。委員会にはJBFA理事だけでなく、他競技の専門家も参加して多角的な議論が行われました。

監督指名委員会メンバー

委員会では、監督候補に求められる要件や評価基準の整理が行われ、中川監督や選手、スタッフへのヒアリングも実施されました。競技成績の向上だけでなく、JBFAのビジョン「ブラインドサッカーを通じて視覚障がい者と健常者が当たり前に混ざり合う社会を実現する」ことを具現化できる存在であることも重要視されました。

中川監督への評価は、以下のようなものでした。

  • 高い競技成績:パリ大会を除き、すべての国際大会で決勝トーナメント進出。歴史を塗り替える成果を上げた。

  • ビジョンへの貢献:社会への影響力が高く、ビジョン実現に向けた取り組みを評価。

  • チームの成長:ベテランと若手の融合が進み、スタッフチームとのコミュニケーション精度も向上。

こうした議論の結果、2024年11月15日の理事会で中川監督続投が正式に決定。多くの候補者を検討した中で、改めて中川監督がブラインドサッカー男子日本代表を率いるべき人物だと結論づけられました。

競技成績レビューの一部

筆者の期待する男子日本代表の未来

ここからは、JBFA広報コミュニケーション室の室長である筆者が、一ファンとして男子日本代表に抱く期待を述べさせてもらいます。それは以下の3点です。

ブラインドサッカー男子日本代表 川村怜選手

1.ロス大会でのメダル獲得

最大の期待は、ロス大会でのメダル獲得です。そのためには、日々のトレーニングや大会での一つひとつの結果にこだわり、目標に向けて進んでほしいと思います。中川監督は、記者会見で「アジア選手権優勝(20年ぶりの王者奪還)」を中間ゴールに掲げ、最終ゴールを「ロス大会でのメダル獲得」と定めています。まずは2026年のアジア選手権で優勝を勝ち取り、さらに上を目指しましょう!

2.社会への影響力を持つ存在に

JBFAのビジョンである「ブラインドサッカーを通じて視覚障がい者と健常者が当たり前に混ざり合う社会」の実現に向け、日本代表はその象徴となるべき存在です。競技を超えた社会的な影響力を発揮することで、より多くの人々にブラインドサッカーの魅力と可能性を伝えてほしいです。

3.憧れの存在として輝き続けること

選手たちが社会の中で常にかっこよく、憧れの存在であってほしいと願っています。視覚障がいのある選手がスポットライトを浴びて活躍する姿は、視覚障がいのある子どもたちやその家族にとって大きな希望となります。結果を出しながら、未来を照らす存在であり続けてほしいです。

ブラインドサッカー男子日本代表 平林太一選手

日本ブラインドサッカー協会 広報コミュニケーション室 室長 宮島大輔