サイクロン シトラン(Sitrang)
バングラデシュは地理的位置から最多サイクロン(台風)襲撃地帯のひとつです。湾岸地域では毎年7から8回の低気圧が発生、それらが力を増しサイクロンに変化、主にインドのオリッサ州(インド東部の州)やアーンドラ州(インド南東部の州)、バングラデシュの海岸線を襲撃します。
最近発生したサイクロン シトランは、10月24日(月)バングラデシュを直撃しました。シトランは日曜の夜に出現、月曜には国中に大破壊をもたらし、火曜日に熱帯低気圧となり国から離れました。
サイクロンは時速75㎞で干潮時の海岸に押し寄せ、当初予測したより35㎞ほど遅いものでした。今日までの報道では、少なくとも14地区で35名が死亡、中でもチャトグラム地区のミルシャライ郡が巨大サイクロンにより最も多い死亡者が出ました。8名の労働者はミルシャライ郡のベンガル湾にあるサンドウィップ水路で、砂の浚渫(しゅんせつ)工事中に水没したそうです。
政府発表では、シトランはちょうど新米を植え付けた水田33,000ヘクタールに打撃を与え、南海岸地域の魚やエビの漁場を流し去ったとの事。信頼できる電力筋の情報では、約2億2千万タカ(約3億8百万円)の損失を生じ、その半分は地域の電力会社に属するといわれます。
洪水のための護岸工事はバガーハット(南西部に位置するクルナ州の地域)において危険を伴うことであり、またバングラデシュを断続的に襲う豪雨には、海岸地域全体に洪水警報が必要です。
幸いなことに、シトランによる被害は予想したより少なく済みましたが、我々自身そして政府は全ての海岸地域に毎年襲来するサイクロンの為に準備をしなければなりません。
2022/10/31JBCEAバングラデシュ カントリーディレクターマハデブ. C. バス