ベナプールのパトバリ(Patbari) 僧院
JBCEA事務所があるジョソール県は、歴史があり伝統豊かな地域です。今回は事務所から車で20分程のインド国境に接するベナプールの伝統に触れる場所を紹介します。ハリダス タゴール パトバリ僧院 Namacharya Brahma Haridas Tagore Patbari Ashram は聖地巡礼の名所で、この僧院の人気は、マダビラタ(ヒッテージ/ウスバサルノオ)とタマル(クスノキ)の木 Siddha Vriksha Madhabilata and Tamal Vrikshaです。
ハリダスは1449年シャトキラ県に誕生。若い頃、心に至上神 ハレー クリシュナ Hare Krishnaが現れたことで、その後ハレー クリシュナと常に唱え、神を呼び起こし、心の中で常に「クリシュナ ハレー」と念じ続けます。このハリナマ Harinamこそ彼の将来であり、拷問やむち打ちを受けても彼の口からこの名前が消えることはありませんでした。やがて住んでいた土地を追われるように離れ、ハリナマと共に人里離れた森のなかに避難、そこを パトバリ僧院 Namacharya Brahma Haridas Tagore Patbari Ashram としました。深い森のなかの小さな隠れ家のようだった所で、ハリダスはハリナマと30万回唱え続けることを始めたのです。そのことが次第に知れ始めると慕う者も増え、森の場所がだんだん広大な巡礼地になっていきました。
現在では新しいものばかりで、当時のものはマダビラタ madhabilata とタマル tamal の2本の樹木を残すだけです。マダビラタの木はかなり前に枯れたと思われたのですが、なんと生きていて、つるや花、葉の姿はハリダス・タゴールの頃を彷彿させ、当時と今を結んでいるようです。信者たちは、聖なる木マダビーラ Siddha Vriksha Madhabeela と呼んでいます。ハリダスは1471年にベナプールに来ましたが、その時はまだ小さな枝だったそうです。通常マダビラタの寿命は10~15年ぐらいといわれ、幹も強くないのですが、550年を経過する間に頑丈な幹に育ちました。タマルは、15世紀のインドの聖人 マハプラブ Mahaprabhu が残したガウランガの杖 Gauranga's staff から発育したといわれています。信者たちは僧院の入口にあるこの木を記念して、アドバイタ マハプラブ Advaita Mahaprabhu と称し、崇拝しています。
2023/7/31
JBCEAバングラデシュ カントリーディレクター
マハデブ. C. バス