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草木と生きた日本人

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執筆者:玉川可奈子/和歌(やまとうた)を嗜む歌人(うたびと)・作家 (画像:大宇陀 又兵衛桜)/月一連載
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2024年7月の記事一覧

草木と生きた日本人 百合

一、序  たまに貫く あふちを家に 植ゑたらば 山ほととぎす 離 れず来むかも (『万葉集』巻十七・三九一〇)  (ほととぎすがたまとして緒に通すせんだんの花を家に植ゑたのならば、山ほととぎすが絶えず来るでせうか)  大伴家持の弟である書持の歌です。  前回、栴檀の花、つまりあふちの花について紹介しました。その白く美しい花を、この季節に見た方もをられるのではないでせうか。私も、多摩の某所で栴檀の花を眺め、いにしへ人の感性や歌を思ひ起こしました。  いよいよ暑くなり、夏を