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一、序 ももしきの 大宮人は 暇あれや 梅をかざして ここに集へる (『万葉集』巻十・一八八三) (ももしきの大宮人は暇があるからでせうか、梅を髪にさしてここに集つてゐますねエ) 前回は梅の花についてお話ししました。 二月五日、東京では久しぶりに雪が降りました。雪の降る日、そして翌日の積つた雪、さらに雪と梅の花の咲く姿を見て、前に紹介しました、 我がやどの 冬木の上に 降る雪を 梅の花かと うち見つるかも (巻八・一六四五) (私の家の冬枯れの木に降り積ちた