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一、序 よひに会ひて あした面なみ なばりのの 萩は散りにき 黄葉早続げ (『万葉集』巻八・一五三六) (夜中に会つて朝は恥づかしさに顔を伏せてしまひました。なばりのの萩はもう散つてしまひました。黄葉よ早く続いておくれ) 縁達師の歌です。どのやうな人物か、わかつてゐません。 前回、黄葉についてお話ししました。皇族の方や、経歴のわからない謎のいにしへ人が黄葉、そして紅葉をいかに愛してゐたかが感じられたのではないでせうか。 いにしへ人とつて、秋の萩の花や黄葉は何