シェア
一、序 我がやどの 花橘は 散り過ぎて 玉に貫くべく 実になりにけり (『万葉集』巻八・一四八九) (私の家の庭に咲いてゐた橘が、早くも散り果ててしまひ、玉として糸がとほせるほど実がなつてしまつたよ) 『万葉集』を編纂したと考へられる大伴家持が、橘の花を惜しんで作つた歌です。花、そして実まで詠まれてゐますね。 他にも、 我が背子が やどの橘 花をよみ 鳴くほととぎす 見にぞ我が来し (巻八・一四八三) (大切なあなたの家に咲く橘の花がとても美しいので、そ