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草木と生きた日本人

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執筆者:玉川可奈子/和歌(やまとうた)を嗜む歌人(うたびと)・作家 (画像:大宇陀 又兵衛桜)/月一連載
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2023年9月の記事一覧

草木と生きた日本人 萩

一、序  我がやどの 花橘は 散り過ぎて 玉に貫くべく 実になりにけり (『万葉集』巻八・一四八九)  (私の家の庭に咲いてゐた橘が、早くも散り果ててしまひ、玉として糸がとほせるほど実がなつてしまつたよ)  『万葉集』を編纂したと考へられる大伴家持が、橘の花を惜しんで作つた歌です。花、そして実まで詠まれてゐますね。  他にも、  我が背子が やどの橘 花をよみ 鳴くほととぎす 見にぞ我が来し (巻八・一四八三)  (大切なあなたの家に咲く橘の花がとても美しいので、そ