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草木と生きた日本人

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執筆者:玉川可奈子/和歌(やまとうた)を嗜む歌人(うたびと)・作家 (画像:大宇陀 又兵衛桜)/月一連載
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2023年7月の記事一覧

草木と生きた日本人 続・東国人と花

一、序  恋しけば 来ませわが背子 垣つ柳 うれ摘みからし われ立ち待たむ(巻十四・三四五五)  「恋しくなつたらいつでも来てくださいね。私の大切な人。垣の柳の芽を摘み枯らしてしまふまで、私は立つて待つてゐませう」といふ意味のこの歌。  さう、この歌も東歌です。この歌には柳の木が詠まれてゐますね。柳の芽を積み枯らすほど摘んであなたを待つてゐますと詠む、実に情熱的な女性の立場の歌です。  前回は、『万葉集』に残された東国人の歌から、都人だけでなく、都から遠く離れた東国の人も