「自分の小さな『箱』から脱出する方法」
家庭、会社、友人等の人間関係においてとても参考になる本紹介していきたいと思います。
今回は、本書の主張やポイントを対話形式で分かりやすくお伝えしていきます。
今回紹介する本
タイトル:自分の小さな「箱」から脱出する方法
著者:アービンジャー インスティチュート
~ある日、会社の昼休み、翔太は同期の美咲に最近の悩みを相談しました。
翔太はここ数か月、パートナーとの些細なことで喧嘩が絶えない状況にあり、どうしたら良いのか途方に暮れていたのです。
そんな翔太に、美咲は最近読んだ『自分の小さな「箱」から脱出する方法』を紹介し、その内容がいかに人間関係を改善できるかを伝えました。
美咲自身、この本にある「箱から出る」方法を実践することで人間関係が良くなっているのを実感していました。~
翔太:「美咲、ちょっと聞いてもいい?最近パートナーとちょっとしたことで言い合いになってさ…。お互い思いやる気持ちはあるはずなんだけど、些細なことで喧嘩になっちゃうんだよね。どうしたらもう少し穏やかに接することができるんだろう。」
美咲:「それって、もしかすると『箱に入っている』状態かもね。箱の中にいると、相手への思いやりが薄れて、自分中心の考え方になってしまいがちなのよ。私も最近、この本『自分の小さな「箱」から脱出する方法』を読んで、まさに翔太と同じような悩みを解消するためのヒントがたくさん詰まっていることに気づいたの。」
翔太:「『箱に入っている』ってどういうこと?それが人間関係にどう関係するの?」
美咲:「この本でいう『箱』って、自己欺瞞(じこぎまん)に陥っている状態のことなの。」
翔太:「自己欺瞞??」
美咲:「分かりやすく言うと、自分が自分の都合や正当化の中に閉じこもり、他人を批判的なフィルター越しに見るようになってしまう心の状態のことなの。箱に入ると、相手が何をしても自分の期待に沿わないと感じてしまって、すぐにイライラしたり、攻撃的な態度になったりしやすくなるのよ。」
翔太:「つまり、自分が相手に批判的になっているときが『箱に入っている』状態ってことか。でも、普通にパートナーが自分に対して無神経なことを言ってきたり、やらなきゃいけないことを押し付けてきたりすると、ついイライラするのは仕方ないんじゃないか?」
美咲:「確かにそう感じるかもね。でも、この本の主張は少し違っていてね。たとえば、相手が自分の期待に応えてくれないとき、『相手が悪い』と思い込むこと自体が『箱に入っている状態』だと説明しているの。箱に入ると、自分の感情や行動が優先されて、相手を理解しようとする気持ちが薄れてしまうのよ。」
翔太:「なるほど…。じゃあ、どうすれば『箱』から出られるの?」
美咲:「この本では、箱から出るために『相手を人間として尊重する』ことが大切だって言っているの。相手の状況や気持ちを素直に想像してみること、そして、自分の思い込みや批判的な見方を一度手放してみることが大事なのよ。」
翔太:「でも、それって具体的にどうやるの?例えば、疲れている時にパートナーに何か頼まれると、『なんで俺ばかりが…』って思っちゃうんだよね。」
美咲:「その気持ち、よくわかるわ。私も以前はそうだった。でもね、この本では『相手も同じように疲れているかもしれない』って視点で考えることが、『箱』から抜け出す第一歩だと教えてくれるの。」
翔太:「そう言われると、確かに…自分の疲れに集中するあまり、相手のことを考えていなかったかも。」
美咲:「そう。自分の都合や疲れだけに目を向けると、相手がどんなに頑張っていても見えなくなってしまう。だからこそ、『自分が箱に入っていることに気づき、そこから抜け出す』ことが大事なのよ。そうすれば、パートナーとの関係も徐々に穏やかになっていくはず。」
翔太:「なるほどね。じゃあ、今度イライラしたときに、自分が『箱に入っている』かどうかを意識してみるよ。でも、もし『箱から出る』ことができたとして、それだけで関係が良くなるのかな?」
美咲:「確かに、そう簡単に変わるわけではないかもしれないわ。でも、この本では『箱から出る』ことが良い人間関係を築くための第一歩だと教えているの。『箱』に入っているときは、自分の思い込みや偏見で相手を見てしまうけど、箱から出ると、相手をフラットに見られるようになるの。」
翔太:「わかるような気がする。『箱』の中にいると、相手を責めたくなったり、自分が正しいと思い込んでしまうんだね。」
美咲:「そうなの。例えば、『相手がいつも自分を大事にしてくれない』と感じていると、それが頭にこびりついてしまって、相手がどんなに小さな思いやりを見せても気づけなくなる。この本では、こうした自己正当化や批判的な思考が箱の中にいる状態だと教えているわ。」
翔太:「そうか…。その自己正当化って、引き寄せの法則にも似てる気がするね。つまり、相手を問題だと思っていると、余計に問題が起こりやすくなるってことかな?」
美咲:「その通り!『箱』に入ると、相手が自分にとって問題だと思い込み、それが無意識に相手の反応に影響を与えてしまうの。そして、相手もそれに反発してますます関係が悪化する、という悪循環が生まれてしまうのよ。」
翔太:「確かに…。じゃあ、具体的にどうやって『箱』から出て、関係を改善していけばいいんだろう?」
美咲:「この本が提案している方法として、まず『相手を人として尊重し、共感すること』が大切だとあるの。たとえば、翔太がパートナーに何か頼まれたときに、『自分が疲れているから無理』と反射的に考えるのではなく、『パートナーも自分と同じくらい疲れているかもしれない』と想像してみるのよ。」
翔太:「なるほど、それだけで少し見方が変わりそう。たとえ自分が疲れていても、相手の立場を考えれば、もう少し手伝えるかもしれないって思うかも。」
美咲:「そう、その気持ちが大事なの。この本では、こうした小さな思いやりの行動が、結果的に相手との関係を良くしていくと教えてくれているわ。私も最初は慣れなかったけど、相手を一人の人間として尊重することを意識し続けていると、自然と『箱に入らない』状態が続けられるようになったの。」
翔太:「確かに、少しずつでもやってみようかな。たとえば、次にイラッときたときに『箱に入ってないか』って自分に問いかけてみればいいのか。」
美咲:「そう。箱に気づくことで、相手に対する見方が変わるから、自然と態度や行動も変わってくるの。お互いに思いやりを持った行動が増えれば、きっと喧嘩も減っていくと思うわ。」
翔太:「ありがとう。少し自分の考え方を変えるだけで、そんなに大きな変化があるんだね。俺も少しずつやってみるよ。」
美咲:「うん、焦らずやっていけばきっと変わっていけるよ。この本は、翔太みたいにパートナーとの関係で悩んでいる人にもすごく役立つ考え方がたくさんあるから、ぜひ読んでみて。きっといろんな場面で『箱』から出て、人と関係を良くする方法が見えてくると思うわ。」
いかがだったでしょうか。
この対話を通じて、『自分の小さな「箱」から脱出する方法』にある「箱」の概念と、箱から出るためのアプローチが見えてきます。
日々の些細なイライラや不満を少しずつ手放し、相手を思いやる行動を心がけることで、自然と関係が改善し、お互いにポジティブな影響をもたらすことができるのです。
皆さんも翔太のように、「箱」から出ることを意識し、日々の関係に活かしてみてはいかがでしょうか。