新人薬剤師フォローアップ研修2024~「自分ならできる」「きっとうまくいく」自信を持って成長し続けていけるように~
こんにちは。センター薬局グループの新卒薬剤師の採用・教育研修担当の庵原(いはら)です。今回は、入社後半年が経った新人薬剤師のフォローアップ研修2024の様子を記事にしたいと思います。
新人薬剤師フォローアップ研修2024を開催
2024年10月2日、札幌本社で新人薬剤師6名のフォローアップ研修を実施しました。今回の研修のコンセプトは「ウェルビーイング」と「自己効力感」。前者は別の記事にしたいと思いますが、後者の自己効力感(self-efficacy)とは「目標を達成させる能力が自分にはあると信じられる感覚のこと」です。
この感覚を高めることで、これからの様々な目標や課題に対しても「自分になんてどうせ無理」と卑下せずに「自分ならできる」「きっとうまくいく」と、自分の「なりたい薬剤師像」に向かって、自信を持って、のびのびと仕事に取り組めるようになってほしい。一緒に主体的に成長していけるようになりたい。そんな思いを込めて研修会を実施しました。
研修の目的と背景
薬剤師は、日々の業務において多くの課題に直面します。自己効力感を高めることは、これらの課題を乗り越え、成長するための重要なマインドセットです。今回の研修では、以下4つのアプローチを通じて自己効力感を高めることを目指しました。
直接体験:自分がうまくできた経験に気づき「今後もできそうだ」という感覚を得る。
言語的説得:同期や先輩、上司からのフィードバックを通じて「自分ならできそうだ」という感覚を得る。
生理的状態:マインドフルネスによる呼吸法や感情のコントロールなど、ストレス管理やリラクゼーション技術を学び、心身の健康を保つ。
代理体験:ロールモデルや同期の経験を見聞きすることで「自分にもできそうだ」という感覚を得る。同期と不安を共有することで、不安を軽減・解消する。
研修の内容
研修は、レクチャーとグループワークを組み合わせた形式で行いました。レクチャーでは、自己効力感の概要やメリットについて学びました。自分の成長や成功体験に気づけると、一歩を踏み出す自信になります。そこで、今回は自分や同期の成長や成功体験に気づいてもらうために、研修店舗で日々行ってきたふりかえり(リフレクション)について、理論的な学びも深めました。その上で、入社後半年の業務をふりかえり、できるようになったことやうれしかったことについて、まずは1人でピックアップしてもらいました。
とは言っても、人は自分自身の成長にはなかなか気づけないもの。「ジョハリの窓(自己分析に使用する心理学モデルの1つ)」において「自分自身が知らないけれど、周囲の人が知っている」=「盲目の窓」についてインプットしました。自分にとっては当たり前となり、気づいていないことも、客観的に見ると、実はその人独自の「強み」になっている場合があります。
自分でも気づいていない自分自身の強みに気づき、自己効力感を上げてもらうために、グループワークとして、同期や上司からも肯定的なフィードバックをしてもらい、自分の成長に気づいてもらう機会を提供しました。
ある新人薬剤師から「待合の椅子に患者さんがたくさんいると”圧”を感じる」とシェアがありました。先輩薬剤師からのフィードバックとして「入社当社は、待合の患者さんに”圧”を感じることはなかったはず。それは、患者さんに薬を渡すまでの調剤の流れがわかり、自分がやれる仕事が増えたからこそでは?」とありました。このように「どんな時に、どういう風に感じるのか」というその人の感情面にフォーカスすることで、自分の物事に対するとらえ方が変わったという成長にも気づいてもらうことができます。
成長する上での考え方、コンフォートゾーン(快適ゾーン)、ラーニングゾーン(学習ゾーン)、パニックゾーン(混乱ゾーン)のインプットもしましたが、これもまた別の機会に記事にしたいと思います。
研修会後の懇親会
研修会後は、社長や本部職員も合流し、懇親会にて親睦を深めました。会社内でつながりをつくることも、様々な課題を乗り越えていくための原動力、レジリエンス(ストレスや逆境に直面した時に、折れずに適応し、乗り越えていく力)になります。和気あいあいと楽しい時間を過ごしながら、研修会に幕を閉じました。
参加者(新人薬剤師)の声
参加者の1人は「同期が全員揃って集まることができ、楽しく1日を終えることが出来た。それぞれの店舗で同期が頑張っている話を聞き、より頑張っていきたいと感じた」とあり、また、別の参加者から「4月に立てた目標とこれまでの半年間を振り返ることで、達成できている部分が明確になり自身の成長を実感することができた。」とありました。
今後、どんな薬剤師になっていきたいかについては「患者さんや職場の人から頼られるように、様々な経験や知識を身に着けて地域に還元できる薬剤師になりたい」「学ぶ姿勢を忘れず、同期とともに切磋琢磨してがんばっていきたい」とあり、研修会を企画した側も触発を受け、一緒に成長していきたいとあらためて思いました。
まとめ
今回のフォローアップ研修は、新人薬剤師たちそれぞれが、半年間をふりかえり、お互いの成長や不安を共有することで、まだがんばっていこう!とモチベーションを上げるステップとなりました。2025年春、新人薬剤師の1年間の成長に気づいてもらうための「新人薬剤師研修成果報告会」があります。
私たちは、新人薬剤師の成長を自分たちのことのようにうれしく思っています。今後も、このような研修を継続し、新人・若手薬剤師の成長を支援し、共に成長し合えるチームであり続けたいと思っています。