【本紹介📕】夏休みに読んだ本3冊紹介(小説)
今年の夏休みは、ゆっくりと本を楽しむ時間がありました。日常の忙しさから離れて、心を落ち着ける読書のひとときを過ごせたのがとても心地よかったです。今回は、その中でも特に印象に残った3冊をご紹介します。
『傲慢と善良』レビュー
あらすじ
婚約者・坂庭真実が突然姿を消した。その行方を追うために、西澤架は彼女の「過去」に向き合い始める。彼女が隠していたものは何か?そして、そこに潜む“婚活”や“結婚”の現実とは何なのか。痛みや苦しみの中で、生きる意味と幸せを見つけようとする姿が描かれるこの物語は、読み手の心に深く響きます。
読んだ理由
私は30代に差し掛かり、「結婚」というテーマが自分にとって非常に切実なものになっていました。辻村深月さんの作品『かがみの孤城』が好きだったこともあり、この『傲慢と善良』を読んでみることにしました。物語の中心にある婚活や結婚の問題は、まさに今私が直面しているテーマでしたので、自然と手に取ったのです。
『アルジャーノンに花束を』 レビュー
あらすじ
32歳で6歳児程度の知能を持つチャーリーが、知能を高める手術を受けることで、天才的な知性を得る物語。彼は手術前後の生活、友人や家族との関係、女性との関わり、自分自身への気づきを「経過報告」として記録していきます。物語は彼が知能を向上させることによって得たもの、そして失ったものを描き、知能が高まるにつれ、彼の内面と周囲の関係がどのように変わっていくかを描写しています。
読んだきっかけ
私は知能や自分自身を変えるというテーマに興味があり、また他者との関係性がどのように変化するかという点にも惹かれていました。この本が長年愛されているSF作品であり、深い感情描写と哲学的なテーマがあることを知っていたので、ぜひ読んでみたいと思いました。知能の向上やその代償についての考察が、私自身の人生にも関連しそうだと感じたからです。
『クスノキの番人』レビュー
あらすじ
職場を不当な理由で解雇された玲斗は、その後、犯してしまった罪で逮捕されます。彼が訴えても受け入れられることなく、釈放を諦めかけていたとき、突然現れた弁護士が「依頼人の命令を聞けば、釈放される」と告げます。その依頼人は千舟と名乗る年配の女性で、驚くことに玲斗の伯母だと言うのです。将来の展望もなく、あまり誇れる生き方をしていない彼に、千舟は「あなたにお願いしたいことがある。それはクスノキの番人です」と告げます。物語は、玲斗がクスノキの番人として成長し、周囲の人々との関係を通して変わっていく様子と、クスノキにまつわる謎が解き明かされていく展開で進んでいきます。
感想
『クスノキの番人』は、心に温かさをもたらしてくれる物語でした。東野圭吾さんらしいミステリー要素がありながらも、玲斗の成長や人間関係の描写が優しく、読んでいるうちにほっとする瞬間が多くありました。特に、他人との距離感や思いを伝えることの難しさが描かれており、それがリアルに響いてきます。
お読みいただきありがとうございました。