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【0.01ver.】作家:赤坂アカの落とし物を眺めて仮説を立てる回(舐めまわすつもりでいくわよ~)

タイトルを見て「きっしょ……」と思ったあなたは正常です。それを狙ってつけてます。だってこのnote、オタクの独断と偏見が強いです。

全部ソースWikipediaです(だって趣味でやってるnoteだし)

下調べ、ろくにしてません。


そんな私がお送りします。よろしくお願いします。

0.赤坂アカは創作への執念がすごい

0.赤坂アカは観察が好き
創作は観察から始まる

1.赤坂アカは雑学好き

かぐや様は告らせたい~天才たちの恋愛頭脳戦~(以下かぐや様)はちまちまとした雑学ネタが結構ある。たとえば第1巻にこんなネタがある。

かぐや様は告らせたい第1巻より

片思いの相手の目に触って睡眠状況を確かめるか?普通…という面白さがある。

2.赤坂アカは人間と社会に興味があり、調べてまとめる力が強い

作品読んでたらうるさいくらい伝わってくる。
ネット、現実の悪口に違和感がなさすぎて面白い(=赤坂アカ先生が具体的に認知して自分の作品に落とし込んでる)

3.時事ネタに敏感

あるあるの解像度が高い。例えば今はガラケーは死語になりつつあるのだが。社会がガラケーとスマホでごちゃごちゃしてた時代がある。


かぐや様は告らせたい第2巻より

なのでこういう時代の過渡期特有ネタができた。(ガラケーでLINEは出来ないことを、スマホ新参勢も知らないというネタ)2024年の今はもう無理。

それから赤坂アカ先生の作品には、恋愛代行(2023~2024)というものがある。
タイトル通り、主人公の恋愛を代行業者がサポートするのである。金で恋愛を成功させようとする者達。

これは〇〇代行が社会問題になったのが発想の元だと私は考える。
例えば「宿題代行」に関して文部科学省が一部の会社と売買するなという合意するくらい……。

「宿題代行」への対応について(文部科学省)
なんで宿題代行をするかというと、親の思惑が大きいらしい。(基本親が金を出すから)例えば、実際に聞いたのだと「塾に集中させたい」。個人の推測では「多すぎる宿題で評価を落とさせたくない」とか……そんな感じかな? 現代の小中学生忙しいよね。

あと退職代行も有名。これはSNSでもよくバズるネタ。TVで賛否両論の声を取り上げてたのを見た覚えがある。

ここから発想して生まれたのが恋愛代行。全4巻。
確かに打ち切りエンドに見えなくも無いのだが……個人的にはこの終わり方が好き。さくっと読める上に赤坂アカ節が全力で濃く、恋愛模様が面白いので、赤坂アカ先生ファンは読んで損なし。脳焼かれてるキャラいる。時代~

んで

オタク界隈の流行りを語るうえで外せないのは

転生モノ。

【推しの子】は転生モノである。星野兄妹には前世があるからね。

転生モノといえば、私からすれば

なろう系です。

なろう系という概念がオタクの間で流行り出したのは
「私の」観測では、2008年原作連載開始、2014年春アニメになった「魔法科高校の劣等生」から。注意:これは転生モノではない。
主人公は社会的には劣等生扱いだけど、実はチート持ちでその妹もすごくて……みたいな話。つまり俺TUEEE系。しかし、何故主人公がチートレベルで強いのかという話、魔法の設定や政治に関する話が面白いのが特徴の作品である。ここが面白い。
何故この作品を取り上げたかというと、
主人公の司波達也が「人生1周目として許されないレベルで強い主人公」の代表だからである。ソードアートオンラインの主人公キリトも強いのだが、とある例外を持ったキャラにちゃんと負けてたりするし、達也は生まれの時点からやばかったりする。(ネタバレ)

なろう系やラノベの歴史はなろうが好きな方にお任せして……。

転生モノが流行り出した時期が「いつからか」ある。
ハルヒ的ハーレム学園モノ→転生なし俺TUEEE転生俺TUEEE みたいな流れが
なんか……あった気がするんだが……(声が小さくなっていく)

自分の記憶であったものだと

・幼女戦記(原作は2011年から、アニメ第1期は2017年1月から)
主人公はエリートサラリーマンだが命を落とし、神の手によって異世界の幼女に転生する。めっちゃつよい。
・異世界はスマートフォンとともに。(原作は2013年から、アニメ第1期は2017年7月から)
主人公は神様に不注意で殺されたのでお詫びに異世界で蘇らせてもらう。スマホつきで。その強さで女の子を助けハーレムを築く。
転生したらスライムだった件(原作は2013年から、アニメ第1期は2018年から)
主人公は通り魔に刺されて、異世界でスライムとして転生する。仲間が増えて集団の規模が大きくなっていくのが面白い。町→国家

基本的に以上で取り上げたものとしては、「人生2週目というアドを生かして、主人公が強く活躍する話」を取り上げている。(転スラはちょっと違うかもしれない)

上で、転生モノにはこういう系統もある

前世最悪だったから人生2週目は楽しむ、或いは救われる、もしくはもう1度やりなおす、という話。

・実は私が本物だった
韓国より輸入。父親に認められるために頑張るがなかなか認められない主人公。そんな彼らの元に『実の娘』と名乗るものがあらわれ、主人公は処刑される。処刑前に「実はあなたが本物だった」と告げられ、処刑されて人生は終わる。しかし生前の記憶を持ったまま何故か過去に回帰して……。イケメンとの交流を楽しみつつ、『実の娘』を名乗る者より齎せる運命に抗う。

優しい家族と、たくさんのもふもふに囲まれて。(原作は2019年から)
主人公は小学生の子供。母親に問題があるような描写がある。そんな彼を見かねて「神様」が新しい世界にワンちゃん(フェンリル)つきで一緒に送り込む。そうして彼は"愛される"生活を過ごし始める。

サンプル少なくてごめん……。でも確かにこういう系統の話ある。思い出したら追加するわ。

【推しの子】の星野兄妹もそれがベースになってる


・復讐者:星野アクア→人生2週目の強さ(大人としての倫理観や知識)で芸能人を取り巻くあらゆる社会の不条理を覆す
・転生者:星野ルビー→人生2週目を謳歌しつつ前世の想い人を探す

上で、"転生者"が抱える情報が、星野兄妹の人格形成や人生に大きく関わる決定事項に大きく影響をもたらしているのだが、それを利用して作中世界の人物は観測できない、読者にミスリードをうませて混乱を生ませた、という面白さがある。

アクア→吾郎の時のトラウマ→アイを殺されたトラウマ→アイを殺した実父への強い憎しみ→終盤の動き
ルビー→さりなの時の無念→アイドルになる→想い人との夢が潰えた後の動き→終盤の動き

何が言いたいのかというと、人間同士のわかりあえなさっぷりを「転生者」という設定でわかりやすく、エンタメに描き切ったな~と私個人は思うわけです。

例えばメディアミックス、アニメEDだとこういう歌詞がある。

生まれつきたっての底なし

メフィスト-女王蜂

このED、注目すべき点として「吾郎」の姿ははっきりと描かれていても「さりな」の姿が描かれていない。(逆に、さりなの形跡、ルビーが病院にいるなどの描写はある)(見落としてたらゴメン!)
また上記で引用した歌詞の部分のルビー、窓に映る部分は黒いフードが描かれている上に「そこなし」と口ずさんでいる。
あと、終盤に映像の早回しがあるが、これは逆再生で、赤ん坊アクアがアイを視認するシーンで終わる。終わり際にアクアが立ち上がり、映像は終わる。そしてアクアがこちらを見る……。これをどう捉えるかは人によると思う。私は吾郎の感情のにおわせかな~って思う。


この作品、アイの死を目前にしたトラウマに苦しむアクアをゴローが責めるシーンがあるのだが、言葉がちぐはぐな所がある。アクアのアイに関するトラウマ、吾郎とさりなの情報だけだと「言ってることが変」だと感じる所がある。しかし、ゴローの生い立ちをちゃんと拾い上げたうえで、サバイバーズギルト(或いはサバイバー症候群)という概念をおけば、私の中で辻褄があうようになった。確か作中でPTSDは五反田とあかねの会話シーンで出ても、サバイバーズギルトという言葉は出してなかった……はず……(目を逸らしながら)

それから、タイトル【推しの子】。
実は推しの子の世界ではガラケーの時点で『推し活』という概念があるのだが、【推し】という概念が生み出されたのは2010年代後半くらいかららしい。自分もそうだった気がする。
マーケティングに至ればもうちょい遅れる。
それまでは「オタク」とか「ファン」とかで表してたはず。

参考:推し活の歴史を徹底解説!オタク文化から現代マーケティングまでの進化を辿る

断言するのだが……2013年までガラケーを持ってた私に【推し】という概念はなかった……(推しの子のゴロさり時代いつなんだろうねこれ)
ガラケーでTwitterはやってた

これは時代考証が甘い、という風に捉えるのではなく『推し』という言葉の持つ便利さや作品の"テーマ"、何より作品の設問からこうなったと捉えるべきだと個人的には思う。重箱の隅をつつくnoteじゃねえからこれ!

転生、推し活、SNSなど様々な時代背景や人間の心理学要素と理屈じゃ通じないものを取り込みつつ組み上げられた作品、

それが

【推しの子】、という作品だと私は考える。


ちなみに【推しの子】……

父親殺しというテーマに挑戦してる。


神話とギリシア悲劇からみる「父殺し」の普遍性(BOOKSTAND)

エディプスコンプレックスという心的構造の可能性は、吾郎の生い立ちによって潰されていると私は考えている。

必ず見つけ出して 俺の手で殺すまでは

星野アクア-推しの子第1巻より

彼は父親への復讐心を基に、目の光を取り戻す。

星野アクアの本当の父親とは何か?
星野アイは何に殺されたのか?


誰、ではなく、何、で考えると面白いと個人的に思います。おわり。
理由:疲れたから

第1期OPも見とこうぜ。こっちにはさりないる。