見出し画像

デスノートの筆跡を辿る会 第二回渋井丸拓男×メディアミックス

「俺、渋井丸拓男。略してシブタク」

※この記事にはブラッシュアップの予定があります

筆跡を辿る会とは、私が適当に思いだした回を不意に見たり読んだりして感想を書きたくなった時に不定期で開かれる集まりのことである(会員1名)

今回は渋井丸拓男という男の生き様と死に様を楽しむ回です。
原作/アニメ/映画版という順番で見ていこうと思います。
ドラマ版にシブタクは出ません、が所謂リスペクト的残り香はあります。
気になる方は是非見に行ってください。シブタクの香りがすっごいする。
俺達のタクさん……そこにいるのか?

原作漫画

原作では第一話で登場します。なので単行本版1巻から内容を引用しつつ、私の感想付きで書きます。
月くんが「デスノートが本物かこの目で見てみたいな~」という動機で名前を書きました。気に入ったおねーさんにちゃんと自己紹介したばっかりに……。

渋井丸「俺、渋井丸拓男。略してシブタク」
これ十中八九、キムタクのパロディです。連載時は2003年。
当時の読者層かつTVが観れる環境にある人なら木村拓哉の活動を知らない人はまずいないはず。なので、拓男さんも「俺〇〇タクいけんじゃん!」って思ったわけです。可愛いやつだな。キャッチ―だしね。

モブ男「タクそればっか」
モブ男「まー本名だし」←解説助かる

渋井丸「へへ…付き合ってよ 素敵なおねーさん」
モブ女性「こ…困ります……」
モブ男「困りますだって」
渋井丸「キャワイーーッ!」

単行本版DATHNOTE第1巻より

キャワイーーッ!って興奮するお前が可愛い説。
あるコマでは、バイクをふかしたイカつい男4人に囲まれた女性。そして、モブとして女性を見て見ぬふりをするだけの成人男性が描かれています。目立つように描かれた、コンビニで立ち読みするふりをしてデスノートをいじる月に隠れて。右端あたりです。
月、デスノートに記入――。
その実験結果を、私達はページをめくることで見ることが出来ます。
ぺら。

ゴシャッ(1ページ丸々使って)


【速報】デスノート、マジ。トラックによってすごい勢いで潰されるバイクが目に入ります。
デスノートが本物・目前で人が死ぬ・原因は自分…という事実で月は凄く取り乱します。でも今回は月くんは主役じゃないです。シブタクが主役です。

シブタクの取り巻きのモブたちはショックで酷く動揺します。ここで月くんの心情描写に入る為、彼らはフェードアウトします。

威圧感のあるナンパをしてたばっかりにシブタク、死亡――。


ちなみにデスノート13巻ではこう表現されています。

ナンパ目的でうろついていたところを月に目撃され、デスノートの実験台にされた不運な男。

単行本版デスノート13巻34ページ

なんとこの13巻の34ページ、出目川も居る。おもしれー脇役の男共で固めてます。

アニメ版

アニメ版ではSTORY.01で見ることが出来る。

月「(前略)どいつもこいつも殺した方が、世の中の為になるやつばかりに見えてくる……」
ドルルルルルルル……(バイクのタイヤが映る)

アニメDEATH NOTE STORY.01より

渋井丸「おねーさーん!」

(カッコーン)←バイクの急ブレーキの音

渋井丸「今から俺らと遊ばなァい?」


ここ、見てて気持ち良すぎる。なんでこんなリズミカルなんだ。声優さんの演技がよすぎる。3度見したわ。演じているのは西村朋紘さんです。実はマットという第二部に出て来るキャラの声優もやってます。え!?初めて知った。

モブ「さっすがタクさん、すんげー美人ゲットw」
渋井丸「俺、渋井丸拓男。略してシブタク ヘッヘッヘェ!付き合ってよぉ、素敵なおね~さ~ん」
女性「こ、こまります……」
モブ「困りますーだってw」
渋井丸「キャワイイ~~!!ハハーッ」

アニメDEATH NOTE STORY.01より

この本当に可愛いって思ってそうな、クネクネしてそうな声が良い。

ここでアニオリが入ります。結構エグくなります。

渋井丸「めくって!めくって全部!」

【悲報】俺達のシブタク、もう可愛くない。私からしたらライン越えです。

おい、もうこれナンパじゃなくてこれ(自主規制)じゃねえか。なんでこんなエグくなってるの?
私個人の推測としては、当たり前かのように弱い人が搾取されるのを見て見ぬふりの社会を端的に表そうとしてるのかなと思います。
さっきまで可愛かったシブタクの顔のアップ、ゲスく見えるよぉ……。(実際ゲス)

月、デスノートに記入――。

女性はなんとかシブタクを振り払って(どうやって?←たぶん死神パワー)
逃げ出します。

渋井丸「ハハーッ 待ってよ~っ」

ここゴキゲン過ぎない?余程タイプの女性だったんだろうな。

モブ「タク、あぶねぇ!」

ゴシャ!(1カメ)
ゴシャ!(2カメ)
ゴシャ!(3カメ)


3カメでとどめを刺されながら、シブタク、死亡――。

ここまでする必要ある?(3カメ演出)
月視点→モブ視点→女性視点ってこと?


映画版

※この部分ブラッシュアップの予定があります。映画版の文脈をきちんと読み取った上で更新する予定です。やる気が出れば。

映画版では前編で出てきます。漫画版・アニメ版の渋井丸拓男はシブタクだのタクさんだの呼んで可愛がりたくなる愛嬌があるが、映画版ではそんな愛嬌は一切ない奇怪な男となっている。逆説的に言えば、俳優の演技が凄いので見てってことです。

映画版での渋井丸拓男は、園児5名を持ち込んだナイフで死傷させたけど不起訴処分で終わったという前情報付きで、弄れない激ヤバ男として登場する。煙草の煙が漂い、刺青を入れたイカつい男もいる、治安が悪いバーで会うことができます。

モブ「人殺しやっても捕まんないんだってさ!」
モブ「それってずるくね?」

映画版DEATHNOTE(2006)より

自分のことをシブタクとも名乗らない、渋井丸拓男はここから持論を展開します。書き起こしませんが、俳優の怪演が素晴らしい。演じているのは顔田 顔彦さん。大人計画という劇団・芸能事務所に所属しています。

渋井丸「誰も俺を有罪には出来ない」

正義感の強い月くんをバチバチに煽って退店。
月くん、雨降りしきる中、やりきれない思いを抱えながら、白い表紙の六法全書を不法投棄されたゴミ達に叩き捨てます。そして――ここでDEATH NOTEを拾います。
(中略)
渋井丸拓男と月、まさかの踏切越しの再会。運命じゃん。

月、デスノートに記入――。

取り巻き「お、おい、大丈夫か!?おい!」

電車越しに様子がおかしくなったシブタク、死亡――。


いかがでしたか? 月と出会った時点でこいつは死ぬ運命にあります。てかデスノートに名前を書かれる為に生まれてきた男だろ。
特にアニメ版の渋井丸拓男は憎めなさというか、愛嬌がありますね。これは20年擦れますわ。目指して頑張っていきましょう。
シブタク、ありがとう。お前の犠牲があったからこそ、月は決意しました。私達のシブタクは、永遠に生き続ける。私達の中で。





この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?