見出し画像

【始球式】松田桃太のような人が世界を作ってきたことを、ゆめゆめ忘るることなかれ

※原作漫画・アニメデスノートの最終話までの言及があります。
あと原作者による読み切り。(cキラ編・aキラ編)

この後 原作松田桃太(第一部)vs私 に挑みます。

こんな感じなので、まずは始球式です。それがこの記事です。
松田……ちゃんと戦おう。この記事はベータ版じゃなく、始球式だ。また改めて書き直す。その為にお前の活躍をしっかりこの目で見にいくからな……。

松田桃太って、インド探してちゃんとインド亜大陸への航路を見つけて帰ってきたみたいなとこ無い? 


しかも生きて最終回を終えるのでデスノートの世界では勝者だし。
初手からぶっ放してすまん。
でも、そうだとしたら、少なくとも無職の私より5000000倍は優秀な人だよ。これから語る功績が無くても、コネで入ってたとしても、ちゃんと刑事として社会で生きて、世渡り出来て、ちゃんと生きてすごい。見えないだけで出来ない人も多いんだよね。私とか。

松田桃太の代名詞は、馬鹿なんじゃねえかなぁと思う。
実際どのルートを辿っても松田は馬鹿という結末に辿り着く。何故って、月のことを感情的に、めちゃくちゃに撃ってるからね。撃つな馬鹿。しかも何発も。この事実がある限り結論:馬鹿なことは覆らない。

そいつお前が長年探してきたキラなんだぞ。
このお馬鹿~~~~!!!!!!!!

げん
こつ

しかし松田にはすげ~功績がある。ヨツバに堂々と潜り込んだのである。やっぱ馬鹿だろコイツ。何考えてんだお前!

どうでもいい松田のいつものボケです。

竜崎―文庫版DEATH NOTE3巻

松田はヨツバ編当時、すごい劣等感を感じていた。
コネで入ってキラ捜査というデカい事件に携われたのはよかったのだが
周りが優秀過ぎる。まぁ周り先輩しかいないしね。
何より、よくわかんねえ男Lと、自分より年下の月くんが、優秀過ぎる……。
自分も何かしたいという焦りと憧れと欲望が、ヨツバ編開始前に描写されている。凡人あるある。マジあるある。

だから松田はある日決断します。

あれ!あれヨツバ本社じゃん。え、今日金曜じゃん。
んじゃ、ヨツバに潜りこむか~……。
漢・松田桃太、一世一代の決意をする。

かっけ~けど、後先考えてないよね。衝動が強すぎない?まぁ少なくとも絶対帰りのこと考えてなかったよね?
んで、ビビりながら不法侵入する。やっぱ帰っちゃおうかな~って思ったりする。ここ凡人。

誰かさん「(前略)あんな何時間にわたるかわからない極秘の会議月曜なら会社来るの憂鬱になる」
松田桃太「極秘の会議……!?
金曜の夜 いつもやってる様な言い方…ビンゴ!?
今日の僕は冴えてるぞ」

文庫版DEATHNOTE3巻

いや、運がいいだけだよ。たまたま行った場所にヨツバがあって、金曜だったから、入ってみたら、たまたま誰にも見つからなくて、たまたまなんかアカン会話聞いた。客観的事実としてはこれだけ。
そんで階段地道~に登って19階まで行って、1時間耳傾けてという、めっちゃ刑事らしいことしてる。うんうん。

松田桃太「やったぞ……凄い手柄だ!!」
カチャ…

文庫版DEATHNOTE3巻

【悲報】松田桃太、見つかる
読者たちの反応まとめ(youtube)

あっ

終わった
死んだなこいつ

今までの話は忘れてください、作戦考え直しです……
………………………松田の馬鹿

竜崎-文庫版DEATHNOTE3巻

Lからしたらもう、「何考えてんだお前ーーーー!!」だろう。
もうめーちゃくちゃ考えて、アイバーとウエディと打ち合わせをして、来てもらって、更にめちゃくちゃ考えながら話してる所に、松田の緊急サインが入ってくるわけ。しかもヨツバ東京本社からだよ。
なんかチャンスな気もしなくもない、でも何が起こってる?
とりあえず一旦全部白紙か~……。そりゃ馬鹿とも吐き捨てたくなるよ。とほほ~。
一方松田は手持ちのカード「弥 海砂のマネージャー」を使う。
普通なら不審者案件で確実に警察行きだが、ヨツバ側からすれば殺しておいた方がいいので、話を聞くふりをする。いいカード持ってて良かったね。

そしてなんやかんやで松田を助けるためにスペシャル接待作戦開始。
松田桃太、命を賭けた渾身のダンシングタイム!演技うまいなお前!
下手な人ってとことん下手だからね。私とか。

止めろって 危ねー 馬鹿

DEATH NOTE 文庫版第3巻

ここでもヨツバの誰かに馬鹿って言われてるけど。

松田、マンションのベランダから自然に身体を投げ出す。
無事着地して助かる。よかったね。マットの下にちゃんと飛び降りれた。

死体役アイバーと発見者ウエディという、海外から呼び寄せたスペシャル俳優(違う)による迫真の演技。

救急隊役の月とLの救急車で死体役アイバー回収。(ワタリ運転?)

松田桃太&捜査本部、全員無事生還

簡単な書き起こしてもこの流れ、バカバカしすぎる。バカすぎるだろ。
話の流れが。読んでて書き起こしても全部バカバカしくなるよ。

もう 人手がないとは言え 私までこんなの嫌ですよ
松田の馬鹿……  ブツブツ

竜崎-文庫版DEATHNOTE3巻

まぁこのバカみたいな作戦考えたのは竜崎、お前なんだけどね。

しかし怪しげな八人と秘密の会議の場所をちゃんと持ち帰り、生きて帰ってこれました。ウルトラえらいです。デスノートの世界では生き残ってる奴が、勝者ですので。

翌日
小さいなー……

松田桃太-文庫版DEATHNOTE3巻

いや生きてることに感謝しろ。だから馬鹿って言われるんだぞ。

ところで、人類史ってのは、思わぬ幸運で出来てることが多いらしい。
例えばアリストテレスが生まれたとか、レオナルド・ダ・ヴィンチが生まれたとか、それらの作品が「残そう!」と思われる世代まで残されたこととか。とりあえず海に出てみた!そんな大航海時代とか。
発酵食品の歴史とかまさにそうで、食ってみたらうまかったし腹壊さなかったって製法が代々受け継がれているらしい。腐敗してる奴らは受け継がれてない。腹壊すし最悪死ぬから。最初に口に含んだ馬鹿のおかげで、チーズとか、納豆とか、なんか色々あるわけだ。
最初に口に含んだ馬鹿、ありがとう。私はチーズも納豆も好きです。
閑話休題。

ということで、第一部の松田桃太には、ヨツバ編短縮&効率化&手札のカード作成という大きな偉業があります。
その後も松田は主に物語に緩急をつけるためのキャラとして活躍していく。

そして……
アニメ最終回&原作終盤に話は飛ぶ。(私は第二部が宿題なので)
月がキラってバレるシーンですね。

読者目線でいえば功績がある。それは感情的に月を撃ったことである。

【悲報】月くん反転アンチ、彼に銃を向けて、弾丸を放つ。


いやそいつキラ事件の犯人~~~!!!お前の人生最大のカタキ~~~!!
殺すな~~~~!!!!!!

しかも何発も撃つ。

馬鹿!!!!死んだらどうする!!!!!

月は血まみれになる。(けどしぶとく生きている。恐らく死神との契約のおかげ)

彼の悲鳴と衝動的な怒りの弾丸は、デスノートで悲しい思いをした影を浮き上がらせる。弥 海砂のように、デスノートで救われた人間もいれば、デスノートで誰かを失った悲しみを抱く人もいるのだ。
ちょっとした人生の失敗や踏み外し、激情から起こしたことで、勝手に悪人と決めつけられて、勝手に断罪として死罪にされた人もいるのだ。
松田桃太はキラ事件に携わることで、沢山喪失している。
同僚の先輩、L、ワタリ、総一郎、そして……"尊敬していた月くん"も。

松田の一番えらいところは、そういう無念を背負って、生き続けているということだ。ニアが気軽に、弄れてるところだ。

どんなにつらく悲しいことがあっても、人間って基本生きていくもの……と日本ではされている。(なんでか知らんけど。)
松田は悲しみを背負って生きていることを、隠しながら、読み切りで"馬鹿をして"笑わせてくれる。松田は相変わらずだなぁって。
"相変わらず"と思えることのありがたみを、私は感じる。人って変わるし、死ぬときは呆気なく死んでしまう。
でも生きている。根本が変わらず生きている。

松田桃太は、キラが生まれて死んだ後の日本を生き続けている。
ニアじゃダメなのだ。ニアはアメリカにいるし。
第3話から登場している、日本の警察の松田桃太。
彼じゃないと駄目なのだ。第2話から出ている当事者のLも、第3話から出てる日本の警察代表夜神総一郎も……死んだのだから。

そしてここからはアニオリへの言及に変わる。

月は手持ちのカードがないか、銃撃で受けた激痛の中混乱しながらみっともなく喘ぐ。

「ミサはどうした…… 高田は……っ」

アニメデスノート最終話より

それを見たキラ信者魅上、失望により自害。感情爆発勢その2。

凄まじい出血と、痛みと失望の断末魔で気を引くことで、月を逃がし、唯一残された手札としての役目を全うして死んでいく。

手札魅上発動で、その場にいる皆が気を取られている中、
一人茫然自失の松田。目にハイライトがない。

が、ハッとする。

松田が最後に見た月は、生きようともがいている等身大の"月くん"の背中だった。

……っ、月くん……っ!

松田桃太-アニメDEATH NOTE 最終話 

その呼びかけの声は、かつて尊敬していた人物を、人として尊重していた時の声だった。その顔つきは、月くんを心配するものだと私は思う。

このアニオリ、マジで凄い。凄すぎる。
原作でも、月くんを思うシーンはある……が、止められてしまう。
無念そうな顔をしている。その結果が最終回での描写だし、原作読み切りでの"馬鹿行為"に繋がると私は考えている。

でもアニメでは原作108話をバサッとカットするので、その代わりをする必要があった。

松田はキラという存在に怒りの弾丸を放ち、デスノートの最後の紙切れを落とさせ、何発も撃ち、自分の中で精神的に殺した。
「こいつは殺さないと駄目だ」というセリフの、"こいつ"の正体はキラであって月くんではない(多分)
そして彼はまた、"月くん"を見つけ直す。
――キラという殺人鬼の力が完全に剥がれ落ち、ただ本能的に生き延びようと、火事場の馬鹿力を駆使して何も考えずにとりあえず外に逃げる。
彼が捉えたのは等身大の、夜神月の生前最後の姿である。

逃げ出した"月くん"を探しに駆けだす日本警察勢に、松田も力を込めて、立ち上がり、ついていく。気が付けば、BGMが、なんか壮大なことになっている。リュークが何故、夜神月があれだけの弾丸を受けながらも走れて、生きているのかを語り続ける。
それはまだ、リュークが名前を書いてなかったからである。マジの死神の気まぐれである。しかし、その設定をうまいこととってアニメ制作陣がやった、夜神月の葬式があのアニオリ盛りだくさんの最終回だった。
彼はその葬式代表を、夜神総一郎の代わりにやった
途中で無念にも死んだ月くんの父親の代わりを、彼がやった。
デスノートを使ってしまった彼を怒り、そして、人として尊重して見送った。

こんな構図になっていると、私は捉えている。

そして松田は……キラの統治がなくなった世界で、日本を取り締まる警察という立場で生き続けている。
月くん、松田の馬鹿が日本を取り締まってるけど?


デスノートという作品に緩急をつける為に生まれてきた馬鹿(という名のラッキーな凡人)。
松田桃太。生まれてきてくれてありがとう。
松田にとってのキラ事件……という傷跡は、君が死ぬまでいつまでも在り続ける。それが私はとても嬉しい。
原作者が死の描写を出さない限り、私の中では永遠に生きていることになる。お前は私の歴史に名前と勇姿を残した立派な漢だ

「父親を死に追いやって、馬鹿を見たで済ませるのか!」
「うわあああーーーー!!!!あああああーーー!!!……ンコォロすッッ!!こいつは殺さないとッッ、駄目だァーっ!!」
「……っ、月くん……っ!」

アニメDEATHNOTE STORY.37「新世界」より

迫真の演技をした内藤玲さん、あなたの演じた松田桃太の声を私は一生忘れません。素晴らしい演技をありがとうございました。
これからの活躍も楽しみにしております。またどこかの作品で出会えたら、その時はよろしくお願いします。

この記事を持って、いったん、我々は、松田桃太という存在にスタンディングオベーションを贈るべきです。
そんなこと本当にしたら、彼は調子に乗ってしまうだろうけど。
彼は馬鹿ですので。

何より、松田桃太というキャラクターを作り上げることにかかわった全ての人々に感謝をして、スタンディングオベーションを贈りましょう。
あなた方の真剣な眼差しのおかげで、彼は素晴らしいキャラクターになった。

松田桃太=馬鹿という単純な台詞を鵜呑みにしているあなた。
いつか貴方の周囲にいる"あなたにとっての馬鹿の松田"によって、銃弾でめちゃくちゃに撃たれるかもしれません。撃たれるほうがレアなんだけどね。

松田桃太のような人が世界を作り続けていることを、ゆめゆめ忘るることなかれ

そしてあなたの世界は、あなた自身が作り続けていることもね。

というわけで松田ァ!私とやりあおう!逃がさんぞ!
対戦よろしくお願いします。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?