InterFM897が「JFNの一地方局」どころか「地方局としても魅力のない局」に変えられてしまった日の所感(11月1日)。
二週間くらい前から嫌な予感はしてました。
朝の通勤中、THE GUY PERRYMAN SHOWを聴いているとやたら流れるCM……何でも、平日の昼から日替わりの文化人的なパーソナリティが来てやるワイド番組らしいじゃないですか。
パーソナリティの中には私が個人的にあまり人物として好きじゃない人も入っていて「今までのInterFMだったら絶対出てないよな……これもJFNに買収された影響か。まあ、普段ラジオを聴けない時間帯だし関係ないか」と割り切ってました。この時は。
では、今日(11/1)午前中のInterFMの番組表がこちら。
いや、ちょっと待て。
これ、ラインナップが地方のJFN局ですやん……
普段からJFN系列の、特に地方の局に聴き馴染みのある方は「一番上の番組は知らんけど他は聴いたことある、時間は違うけど」という感想を持つ方もいらっしゃるかもしれませんが。
私などは事前に番組表とか見ず「The Great Escape!が終わっちゃったしな~まあInterFMやしまたワイド番組で前に番組持ってたDJ(GさんやSさん辺り)が復活するやろ。今週からそれ聴くかな……」と考えながら何気なくradiko開いたらこれですよ。いや本当に、選局間違えたのかと思ったほど。9月にJFNがInterFMの株式を100%取得して買収が発表された訳ですけど、JFN、ほんまえげつないわ……移行期間2ヶ月かよ……。
しかも日曜午前中に一番聞きたくないMay J.がおるやんけ!私的にはこれが最も許せないことでした(理由は後述)。
ちなみに、ウチのラジオ聴取事情
私の家……というか、うちの家の近辺は昔からラジオやテレビの電波がめちゃくちゃ入りにくく、ことラジオに関してはわざわざ自転車で開けた場所に行かないと聴けないくらい難聴取な環境でした。ものすごく山奥ならまだ納得できそうなものですが、普通に市街地なので電波はあれど隔絶されているような状態。radiko黎明期に飛びついて使い始めたのは言うまでもありません。当時はエリアフリーなんて当然無かったので、文化放送の「田村ゆかりのいたずら黒うさぎ」を聴くために如何にして「地域判定を東京にするか」で色々試行錯誤した思い出があります(当方大分県民です)。そんな流れで私は地元のFM大分を、特にエリアフリー開始後は殆ど聴いていませんでした。前述の通勤の時ですら、スマホをナビにBT接続してradikoを流しているくらいですし……。当然、FM大分で昼にワイド番組をやっている事など知るはずもなく。それが今回InterFMでも流れるようになる「Seasoning」だったと。
そんなにJFNを聴いてないワケじゃないのに
実際、JFNの番組にも聴いている(聴いていた)番組があるので、JFN系列を全く聴かないという訳ではないのですが、聴く場合は専らTOKYO FMかFM OSAKAだったのですね。TFMは普段エリアフリーでセットしてる地域が東京なのでわざわざJFN系列を聴くために大分に戻すのも馬鹿らしいということ、FM大阪はうちの回線の事情(地域判定が大阪になる)でエリアフリーに対応していない機材でradikoを聴くと変えられないということで聴いていました。何にせよ、私がJFNの所謂Bライン(→解説)の番組を聴くことは殆ど無かったし、好きな番組は基本的にAラインの番組だったので特に困ることは無かったのです。むしろ田舎者の私からしたら「Bラインを流してる局なんて田舎の象徴やないか!」と、毛嫌いして聴かないということまであったのですね。
様々な要因が重なった
買収が発表された際のツイート。共有している記事に詳しいですが、TFMおよびJFNは、大阪で前例のある「同地域のFM局を買収し、もともとJFN(JFL)系列では制約のあった都(府)県をまたぐ放送圏を取得する」ことが先の買収により可能となりました。ただでさえ外国語FM放送という聴取者がニッチな層で広告収入も少ないMegaNet系列の局はいずれも複数回に及ぶ身売りがあり、それが叶わない時はRADIO-iのように閉局の憂き目に遭っているので、今回のように同業他社に買収されるのもいずれは……という懸念はありました。ただ、ここ数年は木下工務店さんを筆頭とする木下グループが全株式を取得して頑張ってくれていたので、割と放送自体に影響を及ぼすような改変は無かったように思います。まあ、いずれ限界になるだろうなという雰囲気は出ていましたが……
それにしても、記事にあるように「キー局がキー局を買収」というのは、単純に言えば「TBS・日本テレビ・フジテレビ・テレビ朝日」のいずれかが「テレビ東京」を買収するような事態である訳で、もしそんな事があれば鑑定団やモヤさまなどテレ東の人気番組はどうなっちゃうの?という疑問が生まれてくるのは必然でしょう。一日は24時間しかないのだから、テレ東の人気番組を潰して自局のコンテンツを流すのも、逆にノウハウのある自局のコンテンツを打ち切ってまでテレ東の番組を流すのも合理的とは思えません。
JFNは何故基幹局のTOKYO FMをお膝元に有していながら、同じ東京に本社のあるInterFMの買収をしたのか?これは先程の記事にもありますが、JFNにはTOKYO FMで流していない地方局向けの自社制作番組があるのですね。先に述べたもともとBラインと言われる番組群は、radikoエリアフリー等を使わないと少なくとも東京では一般の方法で聴取することはできません。そこで、金銭的に衰弱してしまっているInterFMがすぐ近くにいることに目を付けた。MegaNet系列は都府県を跨いだ放送が出来るので、TFMの現在の放送圏と同じ範囲で事実上の第2チャンネルを持つことが出来る。Bラインとはいえ東京で制作しタレントも十分集められ、地方でも一定の評価を得ている番組を首都圏で放送しないのは勿体ない。サブチャンネルで放送しよう……と考えるのは当然の帰結かと。
JFNには願ってもない「実験場」
JFNの都合もありますが、radikoの普及によりラジオリスナーが回復している兆しがあるのも、要因の一端ではないかと考えています。特に、AMラジオから聴取に入ってきた人はトーク番組が充実しているほうが好みの番組を見つけやすいと思います。私は元々音楽的なリソースを得るためにFMラジオを活用してきて、AMとFMは全く別物と考えているので、FMにAMのノリを持ち込まれるのは許せない思いがあるのですが……一般的にはそうでないようです。私が高校生の頃はFMで音楽メインの番組を聴いているのに、ラジオの話題となればAMの番組や、FMでもスクールオブロックや安部礼司の話ばかりで辟易したものです。
まあ正直、JFNがInterFMの制作する番組理念を尊重してくれるなら、今回の買収は一聴取者としても受け入れないといけないなと思うところではありました。外国語放送が無くなると、今のInterFMがその機能を完全に果たしているかはともかくとして、ラジオ放送にその受け皿が無くなってしまうので、やはり民放FMの盟主たるJFNにはそのカラーを残しつつ番組編成をしてもらいたいな……と思ったのですが。まあ、安定のクソ化でしたね。ラインナップが違いすぎて「The Real Music Station」感を全く感じない。てかそもそも他のJFN系列でも流してるトーク番組をただ垂れ流してるだけでRealでもMusicでも無くなってるのが本当に悲しいのです。段々Interの香りのする番組が淘汰されていき、CMとしょうもないトークの為に音楽がぶつ切りにされるJFNのフォーマットに変えられていくのでしょう。それに、都合が悪くなれば蜥蜴の尻尾扱いでポイ捨てすることも可能ですし。InterFMはJFNの「実験場」にこれからなっていくと思います。すなわち、TOKYO FMのように東京に根ざした番組を流すわけでもなく、独自色もなく、ただ平板に全国で流れている(東京で流れていないだけ)の番組で構成されたタイムスケジュールのFM局。どうですか。どんな魅力を見出だせるでしょうか。
※明日からのラインナップ(昼の一部)InterFMとFM大分の比較。17時までミニ番組に多少違いはあれどほぼ同じ。これは圧倒的に田舎のJFN系列ですわ……
そもそも、JFNはここがクソ(本題)
①コスモ・ポップスベスト10を改悪・終了
JFNは基本的に洋楽に興味がないらしく、カウントダウン系番組は邦楽メインの番組しか無くなってしまいました。J-WAVEはTOKIO HOT 100をあんなに続けられるのに、無闇にタレントばかり出して音楽文化を省みない番組作りを続けています。この動画に出てくる番組表のような90年代の、J-POPと分けたランキングでもいいから続けて欲しかったと思います。とみにコスモ・ポップスベスト10は動画内での新ジングルに変わった時は30分番組になっており、とても窮屈な構成になっていました。別に洋楽だから聴きたいってことでなく、今、音楽が好きな人達はどんな音楽を聴いているのか。それが知れるのがランキング番組なのに、音楽好きな人達の気持ちを蔑ろにしていると思っています。
②キユーピー ハート・オブ・サンデーを改悪・終了
これ動画の分の一週前の放送回につぶやいたやつ。大学初年度で本当に毎週楽しみに聴いていたのを覚えています。ハートオブサンデーの為に日曜昼に被るバイトの日程を入れないようにするとか。物心ついた時から放送していて、今でもハートオブサンデーを超える番組は出ていないと言えるほど、ラジオ番組の中で最も好きだった番組です。毎週テーマに沿って選曲される、日曜の午前中に聴いて心地よい音楽……それも、古い曲もあれば新しい曲もあり、ジャンルに囚われない選曲がなされていて。また、パーソナリティのnonaさんの日常の一コマとして描かれるキユーピーのCMが日曜の落ち着いたライフスタイルを提案してくれるようで、この1時間が1週間で一番リラックスできる時間だったのですよね。また幼い頃は出かけた時に車内で流れていた番組という印象がとても強くあります。
ポップスベスト10もそうなのですが、リクエストを受け付ける番組じゃなかったので、実際の支持が掴み辛い面はあったのかなと思います。私的には、変にリクエスト番組にしてリスナーと慣れ合うよりは、テーマに沿ってプロが選曲する職人気質な番組の方がずっと聴きやすかったのです。リクエスト番組ってどうしてもリクエストに番組の方向性を左右されてしまう側面があるので……。
そんな大切な番組を奪われた当時の私のつぶやき。nonaさんから当時カラオケで話題だった橋本さんにパーソナリティが取って代わられた際、「ハートオブサンデーの本に記されたテーマに沿って選曲」という番組内容になって小芝居をする橋本さんに私がブチ切れたのは言うまでもありません。
あと、改悪で言えばジェットストリームもですね。
福山雅治には全然罪はない。だけど、彼のちょっとスモーキーさのある声は、夜更けにしっとりと聴きたい番組には合わない。むしろ大沢たかおから変わった時に若干番組自体イメージチェンジしたスタイルの方が彼の声質には合ってた。最早ジェットストリームではなかったけど。
だから私は、心の底からJFNに番組制作を口出しされるような状況になったのが辛くて仕方ないのです。どうせタレントをゴリ押しして番組を潰すしか能がないので。今日の事も含め、ここまで嫌でも実際の改悪からの終了という流れを見せつけられると、FMラジオそのものが嫌いになりそうです。どうかJFNに良心があるなら、InterFMを改悪するのは止めてくれと言いたい。自分たちのコンテンツの押し売りじゃなく、Interらしさもある番組作りをしていって下さいと、切にお願いするものです。
まとめ
今日ツイッターを眺めてて一番いたたまれなかったのは、「〇〇(JFNの番組)のネット局にInterFMが増えてて感慨深かった」「InterFMなんて今まで人生で数分しか聴いたことがなかったけど、今後は〇〇が流れるから毎週聴くことになりそう」というツイートを見かけたことでした。
いや、個人の思いを他者に押し付けるのはアカンことやから、そういう風には思いたくないんです。思いたくないんですけど。
ただ、「『JFN系列の番組』は頑張ればいつでもどこでも聴けるけど、『JFNによるInterFM買収によって失われたInterFM独自の番組』は二度と聴けないんだよな……」と思っている人間がいることはJFNの番組が好きな人達にも知っておいてもらいたいと思います。
そして、JFN。
テメーらはもっとマシな番組作れ。
最後に。
今日の関連ツイートを載せますのでよろしければ御覧下さい。
皆でTOKYO FMを罵倒するがね!
おわり。