拝啓JFN様。これ以上InterFMリスナーの心を逆撫でしないでもらえますか?
話としてはこれの続きになろうかと思います。とはいえこれを書いたのももう2年前か……
日本における外国語FM放送局の緩やかなコミュニティであるMegaNetの一角であったInterFM897が、民放FMラジオ局最大のネットワークを持つJFN(ジャパンエフエムネットワーク)に買収されたのが、上記の記事を執筆した2020年のこと。予期されていたことではありましたが、キー局のTOKYO FMでこれまで流していなかった、地方局に裏送り・素材送りしていた番組(いわゆる"Bライン"の番組)をここぞとばかりにInterのタイムテーブルに捩じ込んできました。
「折角JFNが作った番組を首都圏で流せないのは勿体無い。だったらもう一つのチャンネルで流したらいいじゃん!」
何ならそう言ってくれた方がこちらもせいせいする位、分かりやすい改編が行われた訳です。
とはいえ、JFNの手心なのか単にそこまでの番組を供給できなかったのか分かりませんが、平日のゴールデンタイムにInterFM制作の生放送帯番組「sensor」が放送されることとなり、まだ平日ゴールデン帯であればリアルタイムで感度の高い音楽に触れられるのだなと安心していました。
買収時の大改編の後も所々で改悪というべき改編がなされていました。
自分の生活に影響したのは、平日朝の帯番組「THE GUY PERRYMAN SHOW」の放送時間変更でしょうか。今まで7:30の放送終了に合わせて職場に着くルーティーンだった(これも本来放送時間の変更で自分の生活が変わった結果だった)のが、今や家を出る頃には既に放送終了しているという。麻耶さんが出なくなったのもショックだったけど、そんな早朝に追いやるほどこの番組のプライオリティは低いのか?と考えてしまいました。ただ、7時からの番組は一応InterFMの制作なので、あまり責めることも出来ないのですが……
だからこそ17時からの「The Dave Fromm Show」や19時からの「sensor」が、InterFMらしさを感じられるプログラムとして自分の中ではとても大切な存在となっているのですよね。選曲や話題のテーマ、ゲストやリスナーの質がやはり違う。皆の求めているところが、いい音楽を中心にして凄く高いレベルにあると思うのです。タレント中心の起用をしてるTFMの番組だと、こうはならないんですよね。
それを踏まえて、10月改編からの番組表を見てみましょう。まずは昨日(9/30)夕方からの番組表。
そして、来週金曜(10/7)の番組表。
はい。という訳で、sensorが20-23時の大型番組になりました。オメデトー。
な訳ねーだろ。
来週月曜(10/3)はこれ。
そう、sensorはゴールデンの帯から撤退し、昨日で終了した金曜20時の「TOKYO SCENE」の枠へ。確かにかねてよりDJのcartoonさんが、sensorとTOKYO SCENEは兄弟番組という趣旨のことを話されていましたが、同じグルーヴを持つ番組をマージしてゴールデンの帯から退かせた。結果的に、InterFMの平日タイムテーブルからゴールデンの帯が消えて、少なくとも19時台は30分番組主体に変わることになりました。月曜なんか顕著ですが、19時台から生放送の番組が(私の知る限りでは)木曜の「TOKYO MUSIC SHOW(木曜20時から移動、リニューアル?)」以外無くなってしまうということになりそうです。土日を含めても、生放送はリトクロちゃんの番組とBarakan Beatしかないという事態に。
土日は特に土曜日の改編が大きいです。まず先週(9/24)の番組表を昼から。
そして今日(10/1)の番組表がこちら。
「TOKYO DANCE PARK -THE GOLDEN AGE-」と、元は一緒の番組だった「MY GENERATION MIC」の12-14時台が揃って終了。18時の「Party Radio Japan」と金曜22時(だったはず)の「World Pop Radio」が穴を埋める形で入り、空いた18時台は「Love On Music」が繰り上がりでこの枠に。本当に、InterFMの生放送番組を削りに来たような改編に感じられます。
平日の話は先述した通りなのですが、土曜日の改編について。
自分的にTOKYO DANCE PARKの終了が物凄く「やりやがったな……」という印象を抱いています。何と言っても、お休み中のMC RYUさんが戻ってくるのを待たずに終わってしまうのが本当に残念。聴いている僕らもそうなのですが、代役に入っていたDJの皆さん、特にHAZIMEさんとCELORYさんは無念なのではないかと思います。
だって、最終回の番組紹介で書かれていたのがこれですよ?
確かに、RYUさんの復帰の目処が立たない状況で、番組のあり方を変えずに続けていくのは難しかったとは思うんです。HAZIMEさんとCELORYさんの日程を押さえるのが困難なら、番組のコンセプトをまた変えてもいいから、代役のDJを立てて生放送のリクエストを受け付けるような音楽番組を続けてほしかった。THE GOLDEN AGEになる前は感染症が蔓延していなかったので、RYUさんが各所のキッズダンスグループをスタジオに迎え入れてインタビューし、ダンス文化の啓蒙を行っていたのが印象に残っていて。MY GENERATION MICは対象がラップに変わっていたけど音楽に深く関わっていこうとする青少年達を取り上げる番組で、これもまたInterFMらしいプログラムだなと感じていました。基本的にRYUさんの喋りとDJ MIX、そしてリクエストというストロングな構成も、それだけで完成されていて大好きだった。
土曜の昼という聴取者が多い時間帯に収録の番組をそのまま流すだけというのは、JFNが如何にInterFMリスナーを軽視しているかという証左だと思うのですね。Party Radio JapanやWorld Pop Radioはとても良い曲を流す番組だと思っていますが、この時間帯ではあまり活きないだろうとも思います(昼に実際聴いていてそう思いました)。だって、夜聴いてる時と全然変わらないんだもの。
radikoのタイムフリーで放送後いつでも番組が聴けるようになったとはいえ、その時々でリスナーとの交流を図れる生放送というスタイルは、聴いている人達の参加があってこそです。
また、生放送の番組ならその時の話題によってオンエア曲を変えることも可能です。放送日の未明にアーティストの訃報などがあれば、その曲をオンタイムで流して偲ぶことも出来る。勿論訃報を求めている訳ではないのですが、やはりそんな機会だからこそ作品が改めて沢山の人に触れられることが大切だと思うので。前録りの番組でこれは出来ません。
まして、JFNがInterFMの編成の都合のために生放送の番組を用意するとは思えませんし、聴取者をどんどん取り入れるためにもこの時間はやはりInterFM主導で決めさせるべきだったのではないでしょうか。
JFNの人達は恐らく、InterFMで放送している番組の名前で知っているのってBarakan BeatやLazy Sunday、RADIO DISCO、Dave Fromm Showくらいのもんでしょう。その辺りのInterFMでも重鎮というべきDJの番組は「止めたらリスナーの文句が多くて面倒臭いから」という認識でいるのではないでしょうか?
正直この4つの番組が1つでも、DJの体調や他の仕事との都合以外の問題で終わるのであれば、もうそれはInterFMでは無いです。ただのしょうもないJFNの地方局です。
こう言うと「JFNがしょうもないって何だ!」と怒る人もいるかもしれません。前の記事でも触れたのですが、じゃあTFMで放送してなくて他のJFN系列で放送してる番組って何ですかって言ったら、こんな感じな訳ですよ。
オーハッピーモーニングや有吉のサンドリのリスナーが、音楽主体の番組を聴いてるリスナーにピッタリ被るって有り得なくないですか?別に有吉に恨みがある訳じゃないけど、FMラジオにそういう芸人やタレントの喋りを求めてねーわって人はそれなりにいるでしょう。
また、こういう意見もある。
実際、Bラインが東京で聴ければいいと考えている人もいると。
でも、そう考える人がいるのと同じように、今まで通りInterFMの番組が聴きたい人もいる事実を無視してBラインの番組を流しますか?と尋ねたい。
そもそも、前者の知恵袋でリスモウェーブで聴くことが提案されていますが、もうこの質問がなされてから10年経ってるんです。都内に居ても、radikoでエフエム群馬やエフエム栃木を始めとしたBラインを流す局が聴けるのは当たり前。まあradikoプレミアムに加入する必要はありますが、僕みたいに地方から東京の局など各地のラジオを聴きたいがために加入してる人もいるので、そんなに聴きたきゃ月額385円くらい払えというのが正直な気持ちです。実際位置情報が埼玉あたりになるのであれば、群馬や栃木の県域局が聴けるようにしてあげてもいい気はしますが。いずれにしても、聴きたい番組があればファンはお金を出してでも聴くので、「JFNの番組を東京で聴けるようにするため」という理由はJFNの横暴でしかないと言えるでしょう。
聴取率を問題にしたいのなら、メインのTFMにBラインで人気になった番組を移動させて、TFMの聴取率向上に注力すればいいだけの話。数字を気にするなら何故首都圏のFM局でNHK-FMと聴取率最下位争いをしているInterFMを買収したのでしょうか。結局、InterFMでやることならいくらでも失敗できるという思いがあるのだろうと考えざるを得ません。
皮肉にも、以前はJ-WAVEなどに水をあけられていたTFMも最近は他局からリスナーを奪いつつあるようです。それも、ハートオブサンデーやコスモポップスベスト10など、僕の好きだった番組が跡形もなく消え去った後でこの評価なのも何というか。
FMラジオで喋りメインの番組はいらない!と思っているのだけど、世間一般に求められているのはそうじゃないんだよね。洋楽に限らず、コアな音楽番組って必要とされてないのかね?
だからこそ、喋りメインはTFM、音楽メインはInterFMって感じで、お互いに誘導し合ったら利害関係が取れそうに思えるんですが。平たく言えばTFMは今の好調を維持するために世間に迎合しまくって、InterFMは従来からの番組やTFMでは続けられないけど残すことに価値があるコアな番組を取り入れて、独自のカラーを残し続ける(Find your colorsって事です。笑)。そういう役割分担でも何ら問題ないように思うんですが、どうなんでしょうか。
ハートオブサンデーがLazy Sundayの前、日曜10時とかに復活するなら今後一生半蔵門の方向に足を向けて寝ないくらいJFNに感謝するけどなあ。
僕は何度でも言いたい。JFNさん、今FMラジオ局がすべき事って何ですか?聴取率の為に記事の画像にあるタレントを動員して、AMラジオやテレビの二番煎じの番組を作ることですか?健康食品や便利グッズを売りつけるのに、余剰があるのに「○個限定!放送終了後30分までオペレーターを増やして」無辜の聴取者の連絡を待つことですか?違うと思います。
ここ数年の内に、サブスクで音楽を聴くことが実に一般的な情勢になりました。音楽との出会いの入口は数え切れないほど広がりましたが、それ故に良いものを選び取るのが困難になっています。そしてその弊害は音楽作品そのものにも及び、サブスクやショート動画に使われることを念頭にAメロとサビ一小節だけの楽曲も増えています。すなわち、必然的にキャッチーなものが選ばれやすく、そうでないものの価値が見過ごされる状態になっているということ。
そんな時にこそラジオプログラムは、しっかりと一曲まるまるオンエアしその音楽の良さを余すことなくリスナーに届けるという姿勢でいる必要があるのではないでしょうか。また、ただ再生数が伸びているものにばかり着目するのではなく、様々な楽曲を提示しリスナー一人ひとりのアイ(いや、イヤー?)オープナーになることが重要なのではないかと思います。
僕はここ数年の改編で、殆どTFMの番組を聴かなくなりました。絶対に聴くのは日曜14時からの山下達郎サンデーソングブックだけで、これも長年(明日30周年を迎えます)聴いているリスナーがいるから番組のコンセプトを変えられない。というより、番組が提示するテーマが完成されているので、変える必要がない。確かに、客観的に見ればトンチキなオールディーズソングを流す番組(失礼)で、サブスクでも似たような選曲は出来なくもない。だけど、ただ漫然と流れてくるのを聴くのと、達郎さんの解説が付き、最高の選曲と最高の音質で以て聴くのとでは全く違います。オールディーズでなくてもそういう風に音楽を紹介出来る人ってそうそう居ない。ラジオは、音楽と向き合うメディアとして、もっと真剣に音楽をリスナーに伝える方法を検討していく段階にあるのではないでしょうか。
僕は、JFNがInterFMを単に乗っ取るのではなく、手を取り合うことで相乗効果を生むようなラジオプログラムを届けてほしいと思います。InterFMがTFMを見習うべきところがあるなら(収益とか、結局何度買収されてるんだという面はあるし)そうすべきだし、JFNもInterFMのような音楽感度の高いリスナーに応える番組作りをしたらどうかと。FM802がFM COCOLOを買収した時のように、買収して「昔のInterFMは良かったよね」と言われることのないようにして欲しいと、心より願っています。
お終いに、今日を最後に見れなくなるradikoのTOKYO DANCE PARK -THE GOLDEN AGE-の番組紹介(前半部分)を載せておきます。
おわり。