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西川口で麻辣湯を食べる小旅行

 海外旅行に行きたいのに行けない。つらい。となると誰でも思いつくのが、日本にある外国人街を散歩することである。そこで先日、チャイナタウン化が進んでいると評判の西川口駅(JR京浜東北線、埼玉県川口市)を訪れた。平日の昼間だったためか、乗降客も多くなく、落ち着いた感じである。駅前には古い雑居ビルが並んでいた。そこに何軒か、中国料理店やアジア食材を扱う店があるが、そんなにたくさんあるわけでもない。1軒の店に入って食べた麻辣湯がおいしかった。アジアを旅行するのとは違うが、知らない街を歩くのはやはり楽しい。近くの街なら飛行機の予約も要らないしお金もかからない。


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 都内の自宅から電車に乗って1時間ほど。普段使わない駅で乗り換えるだけでちょっと旅情があるな。乗り換えのときも案内の看板を探してうろうろ。西川口の駅舎はこぢんまりとしている。以前、ひいきにしているバンドのライブを観に来たことがあったはずだが、あまり記憶に残っていない。


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 降りたのは西川口駅西口。阪急の「西中島南方」駅感があるな。この右手の路地に中国料理店が集まっている。

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 こんな感じの店が何軒か。平日昼間だったからか、閑散としている。


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 ワタリガニでしょうか。鮮魚などの食材を扱う店もある。

 

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 中国料理だけでなく、タイ料理店も。雑多な感じがよい。


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 コカ・コーラの看板に注目。中国語表記がある。


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 ちょうどお昼過ぎ。入りやすそうだったのでこのお店に入った。店内は中国語が飛び交っていた。自分には分からない言葉の響きを聞いているのは心安らぐ瞬間である。日本語や英語だと無意識に聞こうとしてしまう。知らない言葉なら頭が休まる。
 麻辣湯というのは、香辛料の効いたスープに、いろんな具材を入れた料理だった。まずスープを選び、店頭に並ぶ具材を自分で取ってお店の人に渡すと、煮込んで提供してくれるシステムだった。


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 このお店のスープは辛みなし、ピリ辛、中辛、大辛が選べた。そこに麺やなんかが入るのがベースとなるスープでこれが280円。食材は1種類100円で、最低三つを選ぶという仕組み。お店の女性におすすめされた春雨にして、具材は青菜、油揚げ、もやし、肉団子の四つを選んだ。「それだとちょっと少ないよ」と言われて追加したのがゆばときくらげ。これもおすすめということだった。アジアを旅行したつもりになって春雨をすする。香辛料の効いたスープはいろんなものの出汁が出ているのか複雑な味がして、うまかった。お会計は880円。


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 食材店では調味料とか香辛料、いろんな輸入食材を売っている。こういうところを冷やかすのも楽しい。


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 その後、駅から荒川の方に向かって南下した。やはりぽつぽつと中国料理店がある。


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 路傍の寺院にあった不動明王(たぶん)の石像には「天保三年」の表記があった。調べると、1832年のことである。天保と言えば飢饉があったり、大塩平八郎の乱があったりしたころ。ずいぶん古い。


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 そのうちに荒川の土手に出た。川を渡ると東京都北区だ。河原でぼんやりしているうちに日も傾いてきたので、JR埼京線の浮間舟渡駅から帰った。初めて使う駅だったが、「うきまふなど」と読むらしい。これにて小旅行も終了である。


※全ての写真は筆者撮影です。カメラはニコンD700、レンズはタムロン24-70㍉F2・8。
※2020年11月の旅行です。


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