![見出し画像](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/165182264/rectangle_large_type_2_012c582bfc64a8c693e591112893e104.png?width=1200)
I've Got My Love To Keep Me Warm / Jazz de 恋バナ No.76
雪が降ってきたし、風もヤバイ。でも、今のわたしはどんな嵐が来ても大丈夫。コートも要らない。手袋も要らない。だって、恋するわたしは無敵だから!
燃え上がる恋に寒さも忘れる、そんな誰しもが一度は経験したであろう幸福感のエネルギー溢れるこの曲、「I've Got My Love To Keep Me Warm」は、アーヴィング・バーリン(1888〜1989)によって作詞・作曲された。彼と言えば、1940年代の超名曲「ホワイト・クリスマス」が有名だが、この曲も楽しい曲調や冬の描写から、クリスマス・ナンバーとして取り上げられることが多い。
1937年のミュージカル映画『陽気な街(On The Avenue)』のために書かれ、劇中でディック・パウエルとアリス・フェイが歌った。映画公開後はすぐに人気を博し、フランク・シナトラやビリー・ホリデイなど、多くのアーティストによってカバーされることとなる。近年では、ホセ・ジェイムズのクリスマス・アルバム(2021年)にも収録されていた。
わたしのオススメは、エラ・フィッツジェラルドが、ポール・ウェストン楽団をバックに歌った『Ella Fitzgerald Sings the Irving Berlin Songbook』。1958年にVerveからリリースされた2枚組LPのラストに収録されている。また、前年の1957年にはルイ・アームストロングとのデュエット盤『Ella and Lois Again』でもこの曲を取り上げている。
恋愛している時の無敵感は、周りの状況や自然の厳しささえも気にならなくなるものだ。今この瞬間の純粋な幸福が溢れ出ている歌詞を読んで、弾けるような青春時代をぼんやりと思い返しつつ、日常のつまらなさや不快な状況を超越させる力を持つ恋愛ソングの美しさや楽しさを改めて感じている。
川本睦子
Way Out West 2024.12月号
いいなと思ったら応援しよう!
![Jazz de 恋バナ|川本睦子](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/165182638/profile_ad0d6c2f511d76c2e0427b47308e6be3.jpg?width=600&crop=1:1,smart)