It's A Lovely Day Today / Jazz de 恋バナ No.67
Way Out West 2024.1月号
今回紹介するのは、1950年のミュージカル『コール・ミー・マダム』で歌われた「It's A Lovely Day Today」。作詞・作曲は、「God Bless America」や「White Christmas」など、膨大なポピュラーソングを残したアメリカを代表する音楽かアーヴィング。バーリン(1888〜1989)。
なんてことない歌詞と、底抜けに明るいメロディだけど、いつも一人で抱え込みがちな私にとっては、羨ましくなるようなポジティブ・シンキングで、心に沁みる。60歳を超えてこんな曲が書けるなんて、最高じゃないか。
バーリンの作品は、キャッチーで明るいものが多い。実は彼は楽譜の読み書きもできなかったというのは有名な話で、音楽教育はおろか一般教養も乏しかった故のシンプルでストレートな表現は、大衆から支持された。
おすすめは、1958年に Verve からリリースされたエラ・フィッツジェラルド(vo)によるアーヴィング・バーリン集。記念すべき第一回グラミー賞で高く評価された作品で、”ムード音楽の父”と称されるポール・ウェストンのアレンジと、エラの歌声がバーリンの世界観にぴったりハマる。2022年には同年の未発表ライヴ音源が発見され話題になった。そちらには「It's A Lovely Day Today」は収録されていないが、気になる方はチェックしてみて。
バーリンの歌詞には、101歳まで生きた長寿の秘訣があるような気がする。新年の抱負を、この曲に込めて。
川本睦子
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