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お洒落とは無縁な僕の生活(20)
令和五年三月二十九日(水)
今日は祖母を連れて花見へ行った。本当は友だちを誘って行きたかったのだが、先約があったらしく、残念ながら一緒には行けなかった。だから祖母と一緒に行けたのは、自分自身の花見も出来るし、祖母も喜んでくれるしで、一石二鳥だった。
桜は満開で、さらには春休みということもあって、子供たちがたくさん来ていた。レジャーシートを敷き、持ってきた弁当を広げる。祖母のために折りたたみの椅子を持ってくれば良かったと後悔。どうにか足を伸ばすことで対応できたが、膝が悪くなってきている祖母の状況をちゃんと鑑みられなかったことは、反省すべき点だ。次からはちゃんと頭に置いておかなくては。
花見だけでなく、花祭りと称して、出店もいくつかあった。その中から梅ヶ枝餅や、鮎の塩焼きや、ソフトクリームを食べた。久しぶりに僕も子供に戻った気分だった。実際、祖母にとっては僕はまだ子供のままで、まるで子供に買い与えるように、出店で色んな食べ物を買おうとする。それを引き留めるほうが大変だった。
僕はまだ独り身だけど、やっぱり歳を取って、すっかりおじさんになったと思う。
だから食べる量も減ったし、脂っこいものばかり食べていると、胃もたれする。それをいまいち祖母は分かっていないのだけれど、きっとこれはずっと続くんだろう。親にとっての子供がそうであるように、祖母にとっての孫である僕も、小さい頃から時間が止まっていて、見た目ではおじさんになっても、頭の中では成長していないのだ。
ともあれ、祖母が喜んでくれてよかった。次からは月一くらいでこういう風にどこかに出かけてもいい。いかんせん祖父が認知症になって、デイサービスに通うようになり、コロナ禍だったということもあって、祖母自身もなかなか外に出歩く習慣がなくなっているのだ。
まして、歩けるは歩けるが、膝が多少悪くなっているとなっては、そう簡単に、気軽に、外出しようという気は起きないらしい。
祖母ももう去年で八十八歳。米寿を迎えた。いつ何があってもおかしくない。もう少し孫として出来ることはあるんじゃないかと思った、一日だった。
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