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お洒落とは無縁な僕の生活(28)

 令和五年四月六日(木)

 朝起きて、まずは映画を観た。アルフレッド・ヒッチコックの『サイコ』だ。冒頭の有名なシーンは知っていたから、そこの驚きはなかった。後半はごく普通のサスペンスだけれど、丁寧かつ息を呑むシーンの組み合わせで、引き込まれた。省略の使い方が上手い。往年の名作はたいがいそうだ。人間ドラマは薄いが、サスペンスフルでこんなにも面白くなるものか、と感心した。

 パステル画を3枚描く。新しいパステル紙で1枚は描いたが、どうもそれがいまいちだったので、今度は水彩紙で描く。安い水彩紙だから、表面がどうも滑らかすぎて、パステルを載せるには向いていない。それでも、パステル紙よりかは、こっちのほうが好きなようだ。嬉々として描く。海を描いた。波がこれまでよりも上手く描けた気がする。興が乗って、さらにもう1枚描く。今度はシンプルな絵。青い空、電柱、鳥。こういう絵も好きだ。自分で自分の絵を好きだと思えると、幸せな気分に浸れる。

 江國香織さんの『号泣する準備はできていた』を読み進めている。だいたい180ページくらいまで読んだ。あともう少し。全てにおいて、女性視点が多めの、情感溢れる短編ばかりだ。いまいちのめり込めない作品もあるけれど、どれも一級品で、直木賞を受賞しているが、芥川賞にも通ずる、エンタメだけではくくりきれない読書感覚がある。一筋縄ではいかない登場人物たち。その内面は、読んでいてすべて把握できるわけではない。まさに描写の妙だ。表題作である「号泣する準備はできていた」を前にして、いったんページを閉じる。明日の楽しみにしておこう。

パステル画96枚目
パステル画97枚目
パステル画98枚目

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