お洒落とは無縁な僕の生活(17)
令和五年三月二十六日(日)
この日もクライアント先からの返信はなかった。土日に入っているからだろう。きっと月曜になれば返信があるはずだと自分を納得させる。焦ってはならない。焦って良いことはない。そう言い聞かせれば言い聞かせるほど、人は焦ってしまうとわかっているのに、僕はいつもそういうことを自分に言ってしまう。
編み物をし、短歌を詠み、パステル画を描く。仕事がないから、この日はいつも通りの日課をこなす。もう少し木々や緑が上手く描けるようになりたいが、これも焦ってはならないと自分に言い聞かせる。少なくとも、最初よりは上手くなっている。それに自分はただ上手いだけの絵が描きたいわけじゃない。自分らしく、自分が楽しめるように、そして一人でもいいからもし、この絵が良いと言ってくれる人がいるなら、その人のために描き続けたい。小説も絵も、そういう側面がある。
小説もまた書き始めたが、この日は原稿用紙四枚書いた。別の物を書きたい衝動に駆られるが、特に思いつくわけでもなく、今はできることを、淡々と進めるしかない。そうだ。アイザック・ディーネセンも言っているではないか。『私は希望もなく、絶望もなく、ただ毎日少しずつ書きます』と。そういうことだ。それしか出来ないのだから。
ここ最近は立って書いている。そうすると集中できるのもあるが、座って書いていると、腰が痛くなるからだ。僕も決して若くはない。自分自身をおっさんだと自称している。だからせめて少しずつでも、前に進める方法を模索する。立って書くのは、その一環である。
夜。久しぶりに漫画を読んで夜更かししてしまった。Web上の四コマ漫画である『魔王軍はホワイト企業』という漫画が面白かったのだ。えらい長く連載されているから、結局夜中の三時まで読んでしまった。こういう体験もたまには良い。また続きが連載されていたら、読んでみようか。