お洒落とは無縁な僕の生活(16)
令和五年三月二十五日(土)
クライアント先からの返信はない。恐らく土日に入ってしまったから、月曜日になるだろう。それまで暇を持て余したように、僕は小説を書いたり、パステルを描いたりする。
母の知り合いが訪ねてくる。ネット開通のための手続きで、わからないところがあるらしい。家族で詳しい人がいないため、なぜか僕がかり出された。それで、色々ネットで手続きをする。母の親しい友人だが、足が悪いため、わざわざうちまで車で運転してくるほうが心配である。いっそ直接店頭へ行ったほうが早いんじゃないかと思うが、お喋りついでもあるのだろう。母と色々喋っていたらしい。
その後、兄を駅まで送り届ける。今日の僕はタクシーと同じだ。兄を送り届け、夜には母と父を街中まで送らなければならない。なぜなら二人の結婚記念日だからである。以前、僕の行ったイタリアンバーがおすすめだという話をしたら、父がそこを予約したらしい。二人で行くにはぴったりの場所だと思う。コスパも良いし、味も良いし、雰囲気も良い。せっかくだから楽しんでほしい。
二人を送ったあとは、自宅で久しぶりに一人でテレビを見続ける。コント番組をやっている。キングオブコントの会。実は僕はコントが好きだ。東京03しかり、バカリズムしかり、空気階段や、バナナマンも好きだ。キングオブコントの会はそんな僕にとっては願ってもない番組である。
キングオブコントの会を見ている最中に、父から電話がかかってくる。終わったらしい。二人を街中まで迎えに行く。仲の良さそうな両親を見ていると、僕も嬉しい。よく喧嘩をする二人だが、その日は特に和やかに終わったようだ。料理も美味しかったし、ワインも飲んだし、あれであの値段なら良いわね、と気に入ったらしい。おすすめした僕にとっても喜ばしいことである。
その後帰宅してから、キングオブコントの会の続きを見る。それから二階へ上がって、小説の続きを書いた。停滞していたから、いったん手を止めていたのだけれど、やっぱり我慢できなくなった。何かしら毎日書いてないと、心がざわつく。はっきり言って、前に書いたものよりも出来はよくない気はするけど、とにかく終わりまで書こう。そう決める。
明日からもまた書き続ける。新人賞には間に合わない。でも良い。わかってる。新人賞へ向けて書くのが苦手なことも。ここ最近は自分の気質と向き合っている。苦手なこと、得意なこと、たぶん、楽で出来そうなこと。卑下せず、自分に取り組む。きっとそれが必要なことなんだと、言い聞かせている。