お洒落とは無縁な僕の生活(27)
令和五年四月五日(水)
朝起きて、小説のネタが思い浮かび、さっそく書く。昨日の続きである。少し書いたところで、止まる。プリントアウトする。印刷したその紙を見ながら、推敲する。やっぱり呼吸のリズムに合わせて書くと、直すところは少ない。少なくとも自分で読む限りでは、最低限の推敲で済む。
内容も悪くない。とある小説に着想を得た、パクリのようなものだが、自分の持ち味も活かせていると思う。が、このまま書いて良いかどうかはわからない。僕には自信がなくなってきている。何でもそうだが、作品を作るときは自信が大事だ。あるいは気負いの無さ。このくらいでいいや、と思える感じ。パステル画にはそれがある。僕は絵でプロを目指しているわけではないから、こういう一枚になっても良い、と良い意味で気を抜ける。しかし小説では、なかなかそうもいかないのが悩みである。
しかし、これを捨てるのは惜しい。少し放置しておくかと、印刷した紙を折り曲げて、机の横に置いた。
昼飯を食べて、パステル画を描いた。新しい紙が届いたから、それを試す。いわゆるパステル紙というやつで、パステル画に向いた紙だ。ダークカラーの、白ではなく、グレーとか、茶褐色とか、色のついた紙である。
描いてみると、まったく質感が違う。パステルの乗り方も違うのである。これに戸惑った。いつものように描いてみることができず、ざっくりと、感触を楽しむように、色を載せていく。すると、なんだかより淡い、いかにもパステルな絵になった。これはこれで良い。しかし、A4サイズで描くのはやめたほうがいいか。紙が160gでぺらぺらだから、A4で描くと、どうにも不安定な気分になる。
半分に裁断して、A5で描いたほうがやっぱり良いだろうか。そのくらいの紙の大きさが合っているようである。
その後、仕事先からのメールに返信する。台本の内容は良かったらしい。このまま書き進めてよいとのこと。了解しました、と軽い返事。
質の良いインプットを続けようと、話題になっていたアニメ『ぼっち・ざ・ろっく』を観る。久しぶりの女子4人組の青春アニメ。元々は四コマ漫画の原作のようだ。制作中の予告を観ていたときから、気になっていたアニメである。
これがよく出来ていた。すごく深いテーマを扱っているというのではないが、コメディと青春グラフィティがほどよく融合していて、ただの百合系アニメとは違う。なにより時代的に、主人公のぼっちちゃんに感情移入できる人が多いことだろう。それが人気に火を付けたんじゃないだろうか。
僕自身も、少し世代は違うが、共感できる部分が多かった。エンタメにおいては共感はとても大事だ。それがすばらしく刺さるアニメとなっていた。
全て見終えて、面白かった、と一日を終える。明日は台本を書けると良いな。そう考えながら、今日は寝る。