逃病小説 #4

2021/3/12(金)
仕事の昼休みに胃カメラ検査をした病院より携帯電話に着信履歴があることに気づく。なんか嫌な予感。しかしあいにく病院も昼休みで繋がらず。
夕方に仕事の合間に病院へコールバックすると、
「なるべく早く受診してください」とのこと。
ますます嫌な予感。来週の月曜に受診する旨を伝えて電話を切ったものの嫌な予感は拭いきれず、仕事が終わったあと、ギリギリ診察時間に間に合いそうだったので病院へ向かう。
病院に着いたあとも「ガン、かも?」と「実は勿体ぶって大丈夫でした、じゃないの?」という二つの考えが入り混じりながら名前が呼ばれて診察室へ。
わたしがイスに座るや否や、ディスプレイに映ったわたしの胃カメラの画像を指差し
「ガンです。場所が悪くってねぇ、全摘出になります」
全・摘・出…つまりは胃がなくなってしまうということですか?これからわたしどうなってしまうのですか…
「ガンかも?」と覚悟はしていたものの、「全摘出」という言葉を前にして、頭が真っ白、を通り過ぎてだんだん意識が遠のき、冷や汗と動悸、ついには先生に
「ちょっと横になりましょうか?奥さんに迎えに来てもらいましょう」
ガン宣告されたわたしは、気が動転しすぎてパニックになってしまい、妻に事情を説明、代わりに今後の診療予定を説明してもらい、なんとかかんとか帰宅したのでした…

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