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ゲイであることが当たり前の環境

日本で働いていたころは、田舎出身で東京に事業所を置いているだけの地方企業で働いていたので、ホモだのカマだの、それを悪口として、からかってくる、レベルの低いおっさん集団はいた@60代くらい。

海外に出て、アメリカ系の会社で働くことになった時、雇用契約書の結婚のステータスのところに、

独身・既婚・同性婚・離婚済・裁判中…

などの選択肢があり、とても驚いた。

「な、なぜこんなことまで聞くのか…」と思ったが、アメリカのフォーマットをそのまま使っていて、アメリカでは国で認めている制度だし、それによって会社での福利厚生も変わる訳なので、会社も当然の様に認めていたし、それについてからかう人なんていなかった。

逆にそれでからかう人なんていたら、

ドンだけお子ちゃまなの?小学生低学年か?

っと、逆にそういう人たちの方がバカにされるだろうなという雰囲気すらあった。

ちなみにその当時働いていた時の上司は、マレー系オーストラリア人で、オーストラリア人のパートナーと結婚をしており、香港へは転勤で来ていた。

もちろん、自身が結婚をしている事を誇りに思っているし、隠す事もなくオープンなゲイとして堂々としていて皆に慕われていた。

しかし、ホモだのカマだのからかわれるような環境からやってきたワタクシが、すぐにオープンになれるかというとそうではなく、やはり心の壁は分厚かった。

その時の上司は絶対にワタクシのセクシャリティは気が付いていたと思うし、だからたまに飲みにも誘ってくれて、いろんな話をしたけれど、二人っきりになっていようが、最後までノンケ扱いしてくれた。ぎこちなく。

今だったら同じゲイ同士、もっと面白おかしく色んな話ができただろうなぁと思う。

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数年後、転職をし、イギリス系の会社で働くことになった際、あらかじめゲイであることを暴露してみた。

特にだれも驚くことなく「あーそうなんだ~!彼氏いるの?」くらいの反応で、特になんてことはなかった。

それもそのはず、社内報で、結婚した社員の結婚写真などが掲載されており、その中に普通に同性婚の写真も入っていたのである。

ゲイであることを言ってしまった以上、ワタクシには特に他に隠し事が何もなかったことに気が付く。

ひ、秘密のない人間なんて、なんてつまらない人間だろう💦
もう引き出しないじゃん!!

とリアルに思ったほど。

これまでの会社では、自分のそういった面を見られたくなく、没個性的に、あまり目立とうとはせず消極的に座敷童のようにふるまってきたワタクシ。

でもせっかくだからと、積極的にゲイの部分の自分を自然と出して冗談を言ったり、小指を立ててマイクを持ちプレゼンをしたりする様になったりしたら、面白い人として、個性として受け入れられるようになった。

直後にレズビアンの子も入社してきて、ワタクシを見て、安心してそのままの流れで、ごく普通にカミングアウト。

数年経ち、今では、ゲイである事が前提・普通の日常を送っている事に気が付く。

もはや隠していた理由もわからず、からかわれる理由すらよくわからなくなってきた今日この頃。

「周りの人にバレたら生きていけない」
「ゲイなんて世界で自分しかいないんじゃないか」

なんて本気で信じていた10代の自分が見たら度肝を抜かすに違いない。

こういう環境にいられる自分を幸せだと思いつつも、当たり前だとも思うけれど、そういう状況にいない人もまだまだたくさんいる世の中。

一人でも多くの人が心地よく暮らせる日が来ると良いなと思う次第である。

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