シドニーへ移住しました!
画してシドニーにたどり着いたワタクシ。
香港最後は、それはもう涙、涙でお別れをいろんな人とさせていただき、
BGMでは軒並み物悲しい、そして最終回のエンディング的な音楽を背負い、永久脱毛されるくらい後ろ髪を引かれたワタクシであるが、
えぇ、知っていましたとも、シドニーにたどり着こうものなら新ドラマが華々しい音楽と共に始まるであろうことを。
…しかし、ワタクシは気が重かった。
それはオーストラリアは通関が厳しいと伺っていたからである。
いかんせんワタクシ、今回は移住で来ているのでそれはそれは荷物も多ければ種類も多い。
そもそも飛行機乗る前にオーバーウェイトで指摘されるのではないかと心配になり、
そして通関では、どう突っ込みを入れられ怒られ没収されるかもわからなかったので、事前に色々調べて違反しないようにはしたつもりである。
・・・が、
荷物はすんなり受け入れられ、
通関ではチェック皆無・・・あ、、、、あれ?
それならアレもこれもどっさり持ち込めばよかった!!
などと若干思いながら通関をクリア。
すると一気に始まりの曲がどこからともなく脳内に鳴り響き始め、香港で聞いていたバラードのセットリストが軒並みくすんでしまった。
とはいえ、すぐに動き始めたいほどの気力もなく、チョットダラダラしたい気分になったので、とりあえずは携帯を…と空港内のお店を訪ねることに。
話しかけたのがアジア系の店員さんだったので、実は若干躊躇した…それまで香港で散々ひどい接客を受けてきたからである。
が、「は、はろ~今日からこの国で住むことになったから携帯を契約したいんだけど、まだ銀行口座とか住む場所とかも決まってないから難しいよね~って思ってたんだけど…」と話しかけると、
香港ではほぼ見たことない位の笑顔でフレンドリーに対応してくれる店員さんに恐ろしく感動するワタクシ。
そして、なぜか雑談もものすごく多い…これも香港ではあまり経験しなかったことである。
また、驚いたことに、こんな、来たばかりで身元不明(に近い)のワタクシですら携帯の契約は出来るのだという。
「ワーホリで来たの?それとも留学?」
と聞いてくれるのは嬉しいが…
…そんなに若いわけなかろうが
と若干思うワタクシ。
途中、どことは言わないが、横入りするのが当然の文化圏から来た方が、ワタクシに対応している最中の店員さんに割って話しかけて来て、、まぁ、香港の場合、店員さんもつられて割り込んだ人の対応を始めたりするのであるが、ここはシドニー「並んでください。順番に対応します」と追い返す。
…何をとっても感動し続けるワタクシ元在港13年。世界がこんなにやさしかったとは知らなかった…。
その後も作業をしつつも色々雑談を振ってくるフレンドリーな店員さんと楽しく話し、「そうか、これからこの街で新しい暮らしが始まっていくんだ」という希望に胸が高鳴る。
無事携帯を契約し、カフェでコーヒーを飲み一休み。宿泊先までどうやって行くか…本来は最寄りの駅までは電車で行こうと思っていたワタクシであるが、ここは大人の余裕でタクシーに乗ることに。あまりの疲労感と荷物の量からそういうところはお金で解決。
そしたらまたタクシーの運転手がやさしいことフレンドリーな事…まだ到着してほんの1時間ちょっとくらいしかいないのにどんだけ話しただろうかと思うくらいあれこれ話し、目的地にたどり着くワタクシ。
さ、これから荷物おいて、シャワー浴びて着替えて繰り出すぞ!!っと、息をまく間もなく、ベッドに倒れ込み、帰らぬ人になりかけた…
若干の仮眠をとった後、無事を知らせるため、新しい電話番号の報告もかね、片っ端から到着メッセを送りまくり、夜は夜景のきれいな湾へ赴く。
ここにたどり着くことが出来た暁には、かつて、香港のビクトリアハーバーを眺めながら聴いていたジャズのナンバーを聞き、そんな鬱々とした日々を懐かしく思い出し、達成の喜びと、失ったものの大きさに、涙の一つでも垂れ流そうと決めていたのである。
…が、なぜだろうか。
その昔、悔しさと悲しさと心苦しさとを胸に聴きながら涙した曲を聞いて目の前に広がる景色を見ても、ほほえみしか湧いてこなかったのである。
きっと素敵な事が始まったんだ…
そんな思いを胸に…
新しいチャプターを開始したワタクシなのであった。