大麻議論に見る世論
先に申し上げておくと、ワタクシは別に大麻については賛成でも反対でもない。
ただ、賛成派と反対派の議論を覗いていて
「はぁ~…この風潮…アルアル」
とウンザリしたことに気が付いたので今日はそれについて書こうと思う。
Again!!この記事の論点は大麻を解禁するか否かについてのワタクシの考察ではなく、それらの議論に見る世論についてがメインなので悪しからず。
話は戻り、「世界陸連コー会長の〝大麻解禁〟発言」という記事に寄せられていた大麻反対派のコメントを見て見ると、データに基づかない、ふわぁっとしたイメージ⇒手っ取り早い話「誰かが悪いって言ってたから悪いものだ!えぇ、誰が何と言おうとダメなんだからダメなんだ!!」で、話が終わっている人が大半。
以下、ワタクシが発見した面白いコメントである。
コメ主A:依存性が高くて危ない薬物だ!
返答者B:依存性が高いってどこ情報?
コメ主A:情報源は厚労省の「大麻乱用者による告白」ってページを見て見ろ!
返答者B:それ、2人の体験者の体験談であってデータじゃないよね?アメリカのxx大学の〇〇というリサーチャーの研究によると、コーヒーの方が依存度が高く、有害な薬物である可能性を示唆しており、現に、カフェインは大麻の有効成分であるTHCと同じくらい多くの薬物乱用欄にチェックが入っている。ネズミを使った実験でもカフェインは悪いものとして出てくると発表しているが…。
その後、コメ主Aは返答者Bの事を「マウント取りして楽しいか」などと話題を変更。返答者Bは挑発に乗らずデータについて話を続けるが、その後もコメ主Aからデータは出る事はなく、人格否定攻撃だけが続いた。
まぁ、「このスレッド内だけ」の会話であれば返答者Bに軍配が上がるだろうなぁと思ったワタクシ。
・・・が、しかし、
実際はコメ主Aには大量の「いいね」が付き、返答者Bには「バッド」が付いたのである。
あー…これね、、
こういう「悪いものとされているから何を言われようが悪いモノ!」「皆がそう言ってるから」「テレビがそう言ってるからこう!」と決めつけたら、もうそこから一歩も話がどこにも進まない人。
そういう「常識で決まっているから!」という前提によって全く議論されない問題は大量にある。
- 例えばLGBTの権利なり、同性婚の合法化。
ノンケの男性に面と向かって「同性婚なんて認めたら少子化が加速して…」と言われたので、
「同性婚が認められて、ノンケのあんたがゲイになる可能性ってどれくらいある?」
と真顔で聞き返したワタクシ。
結婚の制度ごときでセクシャリティが変わるなら今頃アタシだってノンケである。
しかし、イメージ、刷り込み、一般常識なんてものはこんなもの。
スーパーのレジ袋がプラスチックごみ全体に占める割合を考えずに「スーパーのレジ袋を有料化したらプラスチック消費量が減る」と信じて疑わない人なり、PCR検査陽性なのと感染なのをイコールでとらえる理論だの…考える事もデータを参照することもなく、
「こうだと思うから」「だってテレビがそう言ってるから」
でフンワリしたイメージで思い込みの前提を作ってそこからテコでも離れられない人達はどこの国にも一定数いるのだろうと思われる。
けれど、他の先進国と日本の考え方がドンドンかけ離れていくと、例えば自国で合法的に同性婚をしており、パートナーと子育てをしている家族や、その親戚や、身近にそういう関係を築いている人がごく普通に当たり前の様にいる国の人たちが、日本に旅行だのオリンピックだので来た時に、反対派の時代錯誤も甚だしい、60年前からタイムスリップでもしてきたかみたいな意見を目の当たりにしたらどう感じるんだろうと思うと、ただただ、
いたたたたたたたたたたたたたまれない。
LGBTを例にしたけれど、実は身の回りで「一般的に言われていること」と「データで証明されていること」に乖離がある事は、結構多くある。コロナだのマスクだのでもそれは同じ。
自分の考えに裏付けるデータや証拠もなく、漠然と「こうだ」と思い込んでるものと違うものを見た時に、素直にそれを受け入れる…だけではなく吟味して再度考え直してみるという柔軟性は持っていたいものである。