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ぼくはジミー210804

 ぼくはジミー。
 ジミーという名前は、ゴオにいちゃんがぼくを見て、すぐにジミーとつけたんだよ。ゴオにいちゃんは名前をつけるのがうまいなあ。ジミーは呼び名で、堅苦しい名前はジェイムズというんだって。
 これから、ぼくの仲間たちを紹介するよ。まず、スカイからだね。

 写真に映っている小さいやつだ。「チビぐるみ」と呼ぶらしい。藤子不二雄Aさんの怪物くんに似ているから、スカイという名前になったらしいよ。堅苦しい名前はスカイラーだって。ぼくは詳しくはしらないけど、《野郎どもと女たち》という映画でマーロン・ブランドーという俳優さんがスカイという渾名だったんだって。これはゴオにいちゃんの受け売りだけどね。
 スカイが仲間になったのは、ぼくがゴオにいちゃんとマアちゃんの家に来てから1、2年あとかな。確かなことは覚えてないや。
 マアちゃんの妹のミイちゃん(女性、仮名)が近くのゲームセンターのクレーンゲームでつかまえて来たんだ。「UFOキャッチャー」と呼ぶ人がいるけど、それはセガ製のゲーム機の登録商標なんだって、ゴオにいちゃんが言ってたよ。ミイちゃんがつかまえたチビぐるみを家に連れて来たので、ゴオにいちゃんとマアちゃんが引き取ったんだ。
 それで、初めのうちは、バナナを持っていたぼくの左手のマジック・テープで、スカイの赤い帽子をつかまえていたんだよ。スカイは小さいから、よくどっかにいなくなる。ぼくの目を盗んで、どっかへスカイダイヴするのが好きなのかもしれないなあ。スカイの誕生日は7月4日のアメリカ独立記念日で、ぼくの誕生日は12月25日だってさ。
 そうそう、ぼくの左手のマジック・テープがスカイの赤い帽子をつかむ力が弱くなったので、どうしようかと思っていたら、ゴオにいちゃんが妙案を考えてくれたよ。
 家にアニエス・ベー印の小さくて黒いショルダーバッグがちょうどあったんだ。ちょうどスカイがすっぽりはいれる大きさだった。ぼくが首からぶら下げて、スカイはバッグの中から前が見えるという格好だった。
 ゴオにいちゃんとマアちゃんがどこかへ出かけるときは、ぼくがはいれる大きさのトートバッグにはいって、マアちゃんとミイちゃんの実家に車で一緒に行くこともあったなあ。

 それから、ずっとあとでまた新しい仲間ができたので、スカイは黒いショルダーバッグから出て、ぼくはお腹の前にスカイと新しい仲間をつかんでいる格好になるんだけど、その新しい仲間の話はまた別の機会に……


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木村二郎
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