メディアも読者も無敵のスーパーマンの話なんて聞きたくない
広報として「人」を売り込みたい時に私がメディア向けにやっている方法は、その人の人生の底辺と頂点を対照的に見せる、ということをやっています。
すごくすごく売り出したい時、よく私はペライチで人物紹介シートを作ってメディアに売り込みをするのですが、そこに欠かさず入れるのが「人生の浮き沈みグラフ」です。
よく、「しくじり先生」とかで出てくる、
・2000年:結婚して最高に幸せに
・2005年:会社が破産して急に貧乏生活に
・2006年:多くの仲間に助けられ再起業
…みたいな感じで、人生の浮き沈みをグラフで示したもの。
正直、誰も無敵のスーパーマンの話なんて聞きたくない
少し想像してみていただきたいのですが
「東京都港区出身。慶応義塾高校から東大法学部にストレート合格。在学中に司法試験と国家一種試験に合格。外交官として5年パリで勤務した後、ハーバードビジネススクールでMBA取得。現在は複数の会社を起業、うち1社は上場。最愛の奥様と3人の子どもに恵まれて広い一軒家購入を考え中」
なんて書いてあったら…読みたいと思いますか笑?(架空の人物ですが)
まぁ、ここまで突き抜けていたらさすがに「こんなスーパーマンは何を語るんだ?」と興味を持つかもしれません。
しかしやはり人間というもの、
せっかくならば自分にも何かマネができることがあるのでは、とか
こんなすごい人でもこんな苦労があったのね、私も頑張ろう、とか
そんなことを期待したくなるのです。
「誰もが」持っている人生ドラマ
例えば破産・離婚・病気などはそうしたストーリーの中でも強烈なインパクトがあるかもしれませんが「誰もがそんなドラマみたいなストーリーを持っているわけではない」と思われるかもしれません。
しかし、本当にそうでしょうか?
「兄弟姉妹で比べられて、いつも寂しい思いを抱えながらの幼少期」
「高校最後の夏の部活、自分のミスで試合に敗北」
「受験に失敗して、ものすごい劣等感を持ちながらの学生生活」
「10年付き合った彼に、一般的な婚期を過ぎてから振られた」
「妻/夫に不倫をされ、離婚の危機に」
「会社でパワハラにあい”死にたい”と毎日思っていた」
こんな内容だとどうでしょうか?
上記どれも、誰にでも起こりそうな話題です。
メディアに売り込みをするような人物はひと角の人物
メディアに売り込みをかけるような人物は、大企業ならだいたい部長職以上、中小企業なら経営者です。
一般的にみれば「すごいヒト」。
私たち広報は、そうした人たちをメディアに売り込もうとする際、ついつい
「この人本当にすごい人なんです」
みたいな売り込みをしてしまうものです。
しかし経験上、そうした売り込みをしてもあまりメディアのハートを射止められないことが多い。だって日々メディアはすごい人ばかりに取材をしているし、有名メディアであればその気になれば米国大統領にだって取材できてしまうのですから!
そんな時に効くのが、その人の人生ドラマです。それも、ちゃんとどん底部分も書いてあるドラマ。
以前、私が紹介シートを書いていた時に、すごく響いたのもやはりどん底経験でした。
その方は現在有名IT企業の社長。大学時代に大好きな彼女に振られたことが辛すぎて、半年間家に引きこもった、という経験がありました。
その引きこもり期間、通信ゲームばかりしている中で、ゲームの楽しさ、インターネットで繋がる楽しさに目覚めて徐々に元気を回復し、その後大学に復帰。社会人を経て起業して大成、という話を書いたのでした。
メディアからはそのストーリーをきっかけに社長や企業に興味を持ってもらうことができ、さまざまな切り口でインタビューをいただいたのでした。
人間臭さの垣間見えるストーリーで充分
どうしても、広報としては「うちの部長/社長、すごいんです」とやっちゃいがちです。
対象者としても、自分の暗黒歴史を外に晒すなんて嫌かもしれません。
だけど、そんな大それた経験でなくても良いのです。
ちょっと、その人の人間臭さが垣間見えるエピソードを載せる…それくらいならできそうではないでしょうか。
「部長/社長が凄すぎて、一般からみたら手の届かない人に思えちゃうんです。だから、”思ってたのと違う〜!”ってゆう人生失敗エピソード、明るく語れるやつでいいので、くれませんか?」
こんなふうに頼んでみたら、案外みなさん喜んで出してくれるはずです!
ぜひお試しください♪
21年8月現在、有難いことに多くのご契約を頂戴しており、新たなお仕事をすぐには受け付けられない状況なのですが、また募集再開した際にはお知らせいたします。
ご相談などは随時無料にて受け付けておりますのでお気軽にお問い合わせください♪
戦略広報ジェイードへの問い合わせ先
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