取材を受ける時の注意点7つ 初級〜上級まで 新聞編
発散活動を続けていると、新聞社からの取材の申し込みなども来るようになります。今日は、
■取材申し込みパターン
ネットニュースに何度か載る
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そのうちの1つのニュースがYahooニュースに転載されて突然に会社やサービスへのアクセスが増える
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単発ニュース取材としてテレビから取材が来る
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業界全体のまとめ記事を書くとして新聞社から取材が来る
新聞社は、大企業だと、企業の担当の記者などがいますが、ベンチャー・スタートアップだと、業界全体を横断で見ている記者などが連絡してくることになります。なので、テレビで紹介されたあと半月くらいしてから「ちょっと業界横断でまとめ記事書こうと思ってるんですが…」的な感じで連絡が来ることが多いのです。
新聞記者って、響き的にちょっと緊張しますよね。もう広報歴12年になった私も、今でもちょっと緊張します。やはりいろんな記者さんがいますから。なので今日はきちんと記者と良い関係を築きつつ、上手に取材対応する方法をお伝えします。ポイントは7つです。
①取材前に入念に趣旨の確認をする
②答えに窮する質問には即答しない
③他社の批判はしない
④「オフレコ」は基本NG。だけど上手に使い分ける
⑤ぜひ使って欲しいキーワードは何度も伝える
⑥記事の事前チェックはできない
⑦今後の記者リストに入れる
①取材前に入念に趣旨の確認をする
・質問事項をもらう
まずは電話で取材依頼がくることが多いです。その際に、きちんと質問事項を確認しておくことが重要です。できればメールなどできちんと項目立ててもらってみましょう。
・取材対象と内容について確認する
-他にどのような企業に取材をするのか
-うちの企業はどのような立ち位置で紹介されるのか
について質問をしておきましょう。そして
・その記者が他にどんな記事を書いているか確認
記者の名前で検索すれば、大抵署名記事が出てきます。苗字しかわからなくても「苗字 XX新聞」などで検索すれば大抵出てきます。
新聞社にはさほど多くないですが、あまりに手厳しい批判記事ばかり書いているなど、ちょっと危険な香りがする場合は「取材対象者の多忙」などを理由に丁重にお断りしましょう。
②答えに窮する質問には即答しない
取材依頼の電話の際にも、取材時にも、周辺取材として質問事項以外の質問を相当されます。ある程度「面白そうだ。取材する価値がありそうだ」と思ってもらわなければならないので、色々エピソードや業界における相場感(どのくらいすごいことなのか)などを伝えて差し上げましょう。
しかし、ちょっと回答が難しい質問をされることもあります。例えば、「今いくら売り上げてますか?」「次の出店予定は?」「客層の年収帯は?」など、競合観点や顧客観点などで、出して良いか迷う質問。隠しすぎるのも面白い話が全く聞けない企業としてメディアが離れますが、出しすぎて掲載されて、競合から出し抜かれたり顧客が離れたりしては元も子もないです。
そんな時は「ちょっとXX観点でお答えしてよいか迷っているので少し考えさせてください」と素直に言いましょう。
③他社の批判はしない
競合とバチバチ火花を散らしながら勝負をしているような企業だと、ついつい競合の悪いところなどを言いたくなってしまいますよね。ですが、他社の批判は基本やめましょう。
よく広報のお作法で、「記者が記事化するかもしれないので、他社批判はNG」と書いてありますが、個人的にはそのリスクよりも「企業としての品位」というところが理由かな、と思います。
人の悪口や批判ばかりしている人って、ちょっと信用できないなって個人間でも思いますよね。企業間や、対マスコミでも同じだったりします。「競合にマネされた!」とか「向こうがうちの批判をしている」などの理由でついつい記者さんに悪口を言いたくなる気持ちもわかります。ですが、資本主義であり自由競争であるこの世の中では、ある程度それこそがあるべき姿とも言えます。なので、企業としての品位ある発言を心がけましょう。
④「オフレコ」は基本NG。だけど上手に使い分ける
こちらも広報のお作法として「オフレコは存在しない!」と言われています。確かに「オフレコ」は存在しないので、絶対に言ってはいけないことは、どんなに仲良くなっても言わないようにしましょう。
ただし、記者も人間ですし、狭い世の中、SNSも発達した世の中です。さすがに「今の発言、絶対記事にしないでください」と言ったことが記事になってしまったことって実はほとんどありません。
経験上、広報対応がすごく上手な人って、この「オフレコ」を記者と仲良くなるツールとして上手に使い分けています。「あ、何かXXさん上手だからついベラベラ喋っちゃった!これ、オフレコだからね!」「これ、本当はオフレコなんですけど、XXさんにはちょっとだけお耳に入れときますね」こんなふうに言うだけで、あまりすごい情報じゃなくてもちょっと記者さんとの距離が縮まりますね。上級編なお話ではありますが、使えそうなシーンがあればぜひお役立てください。
⑤ぜひ使って欲しいキーワードは何度も伝える
これは取材の中で一番大事なポイントかもしれません。取材をしてもらって、自分たちが伝えて欲しいことをきちんと紙面で伝えてもらう。これこそが取材を受ける意味です。
記事にしてほしいポイントはキーワードにするなどして何度も何度も刷り込みのように伝えましょう。箇条書きにして書き出しておいて、記者に見せながら話すのも効果的。正直に「ここ、ぜひ読者の方にも伝えたいので書いていただけたら嬉しいです」と伝えてしまっても良いです。書いてくれるかどうかはわかりませんが、言う価値は十分あります。
⑥記事の事前チェックはできない
事前の記事「検閲」はできません。これだけはきっぱりと言えます。最近は「こんな感じで御社のコメント使います」「御社の部分だけお見せします」などと言って記者さん側から教えてくれることもありますが、これは例外であり、単に記者さんのご厚意です。
なので、間違っても事前に見せるように求めたり、部下の方に「何が何でも事前に記事チェックしておいて」などという無理難題を押し付けたりすることのないようにしてください。たとえ1回成功しても、もう2度と取材されなくなってしまいます涙
⑦今後の記者リストに入れる
せっかくなので、取材しにきてくれた記者さんは記者リストにきちんと整理して、今後のリリース時には連絡するようにしてください。
記者さんも忙しいので、興味の無い話題は基本スルーされますが、興味がある時は即座に反応してくれます。「いっつもリリース送ってくださってるのに反応できてなくてすみません、てへへ」なんて言ってくれるチャーミングな記者さんも大勢います。伝えたいニュースがある時は、めげることなく伝えていきましょう!
①取材前に入念に趣旨の確認をする
②答えに窮する質問には即答しない
③他社の批判はしない
④「オフレコ」は基本NG。だけど上手に使い分ける
⑤ぜひ使って欲しいキーワードは何度も伝える
⑥記事の事前チェックはできない
⑦今後の記者リストに入れる
以上、新聞取材を受ける時の7つのポイントをご紹介しました。
お役立ていただけたら幸いです。
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