
2021年広報の最新トレンド
色々な企業で広報戦略を作っている関係で、最新の動きについては常に気になるものです。
広報は、いわゆる広告=Promotionという意味ではなく、Public Relationsということなので、芸能人を使ったり、何億円もかけてメディア広告を行ったりするものでもありません。
そうした意味において、あまり派手さはないかもしれないのですが、手堅くこの動きはきっと”来る”だろう、と思われる広報トレンドについて記したいと思います。
ニッチさが鍵に
広報に限ったことではないですが、もはや「みんな好き」「みんな持ってる」みたいな世界はどの世代にも通用しなくなってきています。
また、様々なEC関連のツールも登場しており、D2C(Direct to Customer)がますます盛んになっていくことは自明の理です。
そうなってくると、個々のブランディングがますます大事になってきます。「競合のあのブランドと殆ど同じだけど、ちょっと違う部分もあって…」みたいな考え方ではこれから難しくなっていくと考えています。
リリースを書くにしても20代の女性に向けた商品であることをアピールするのではなく、20代・こんなことに困っている・こんな行動してみたけれどうまく行っていない…など、ターゲットをかなり絞って伝えていくことが大事になってくるはずです。
ブランディングの観点でも、自社の商品・サービスは他と比べて何が素晴らしいのか、徹底して議論をし、世の中にそれがひと言で伝わるように努力していきたいところです。
意味あるエンゲージメントの獲得が重要に
上記でものべたように、「みんな好き」「みんな持ってる」みたいな世界が終焉を迎えつつある現在において、例えばSNSにおいて多くのフォロワーがいる、ということが必ずしも強いということにはなりません。
もちろんそうした絶対数というのも大事ではあるのですが、そのうち自社の商品やサービスを心から喜んで迎えてくれ、多少ネガティブな情報を見聞きしてもちょっとやそっとでは離れない…そんな人をファンとして抱えているところは非常に強いです。
それが非常に強いのはアップルだと思うのですが、アップルは商品も素晴らしいけれど、スティーブ・ジョブズという神格化されたストーリーをもっており、身も心もアップル大好き!という熱狂的なファンが非常に多いですね。
リリースやメディアリレーションにおいてどう応用していくかというと、例えばですが、商品の概要だけでなくその商品開発の秘話や、なぜその商品を作ろうと思ったのか、どんな人にどのように使って欲しいのか、など、もっとウェットな部分にフォーカスを当てていく方法が考えられそうです。
古くて新しい系ですが、創業以来歩んできた道を山あり谷ありの図とともにペラ1にしたためてメディアに”ついで渡し”して連載獲得したり、お客様との感動秘話を本やSNSにしたためる…等もあるかもしれません。
危機管理を徹底した情報発信が必須に
もうこれは今に始まったことではありませんね。(すみません!)
Twitter登場以来、ちょっとした企業の言葉遣いや姿勢が瞬く間に炎上、世界じゅうに拡散し、企業や商品サービスへのヘイトがいとも簡単に形成されるようになっています。
多くの炎上ケースをみても、殆どが「ちょっと感度の良い人が確認していれば防げただろうに…」というケースです。
ここまで何十年もかけて積み上げてきた信頼も、崩れる時は一瞬。仲の良い広報がいる企業で炎上からヘイトが吹き荒れた際には、一緒に涙しました…。
今はコロナ禍ということもあり、多くの企業が在宅ワークを取り入れています。それにより、普段なら通っていたはずの目がスルーされてしまい、炎上となってしまうケースもあるようです。
炎上しないためのキーポイントは、究極的には「誰かを傷つけていないか」ということです。差別的な発言などはもはや言わずもがなですが、誰かを下に見たり、貶めたりするような発言をすればその人が傷つきます。他社製品の批判は、開発者やその利用者も傷つけます。
リリース、お知らせ、SNSなど広報が扱う情報は非常に多いですが、
・多様な人材の目を通す(年齢・性別・雇用形態等)
・誰でもNOが言える雰囲気に(部長が言ったら全部Yes!などはダメ)
を徹底しておきたいところです。
以上3点、2021年最新の広報トレンドを勝手に予測してみました。
年が変わったからと言って急に激変するものでもありませんが、じわじわと感じている変化を、少々まとめて載せてみました。ご参考になれば幸いです。
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