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本社移転で振り回され 法務局は中小企業のお邪魔虫なのか
このたび私の経営する 戦略広報の株式会社ジェイードは
本社所在地を東京都中央区京橋へと移転しました。
コロナ禍の本格終焉を感じさせてくれる本社移転
コロナ禍により、ほぼ毎日自宅で仕事をするようになった2020年。
日本橋人形町のオフィスの撤退を決意し、自宅を本店登記しました。
元々毎日オフィスへ行っていたわけでもなかったものの、
胸にスンとくる一抹の寂しさと共にサヨナラしたのを覚えています。
コロナが明け、国内外の色々なお客様からお仕事をいただくようになり、
嬉しいことに新たにスタッフの方もお迎えすることとなったのもあり、
京橋に移転。
もう通常の生活でコロナを必要以上に怖がることもなくなりました。
海外も自由に行き来できるようになりました。
あぁ〜いよいよ終わったんだ、コロナ禍!
ちょっと、嬉しい気持ちになります。
本店移転手続き、小規模事業にとって本来はそんなに難しくないはず
株主やら役員やらが大勢いるような大企業だと、本店移転ひとつにしてもそれはそれは大変なことです。
株主の過半数から承諾をもらわなければならず、その手続きの大変さといったらありません。
それがうちのように株主構成もシンプルな会社だと、
プロに頼んだりしなくてもサクッとできちゃうものなんです。
もちろん、そのあと社保労務局やら税務署やらあちこち届け出なくちゃいけないので、そんな目をつぶっててもできる…とまで簡単ではありませんが、
それでも登記簿を変更するための法務局での手続き自体はとてもシンプル。
欲しい情報に辿り着けないサイトはデコピン!
「本社移転 申請」
と調べて出てくる法務局のページ。
会社を設立すると、登記簿謄本を取ったり、印鑑証明だなんだと、
何かと法務局に用事が増えるものです。
この法務局のHPが、まぁ〜びっくりするような年代モノなんです。
90年代のインターネット黎明期を彷彿とさせる
白とグレーを基調とした四角だらけのHPで、
聞いたことのないようなお役所単語がずらり。
「この申請は難しくないヨ!」みたいに見せるために、
無駄に「丸文字」で書いてある説明に、シラーっと冷たい目線を送りつつ、申請方法を調べます。
(個人的に、国や自治体のサイトが無駄に丸文字使うの、ほんとにやめて欲しいな…と思うのです。
丸文字使ったって、わかりにくい情報は伝わらないんだから)
行けども行けども欲しい情報に辿り着けない。
「お、オンライン申請!?」なんてぬか喜びするも、その前に信じられないほど面倒な申請をしないと使えない…
何度も同じリンクを周回させられているうちにChromeタブだけがすごい勢いで増えていく。
「ソフトをダウンロードせよ」と突然出てきて、
何だか良くわからないけれどDLすればいいのね、と思いDLしようと思ったら「Windows のみ対応」…ちーん。
法務局のサイトほど、どこに何があるのかわからず、
無駄な情報ばかりが並べられているサイトを私は見たことがありません。
こんな価値ゼロのサイトもどうせ、どこかの有名なベンダーが、何億円という法外な金額で請負い作ったのかなぁ、と思うと、HP画面をデコピンしたくなります。
結局1時間近く法務局HP内サーフィンをしたものの、1ミリも欲しい情報に辿り着けず、もう直接申請書と印鑑と握りしめていくっきゃないと決意します。
この法務局のサイトで、いったい何万人の中小経営者が迷い、時間を使っただろう…。罪深いサイトです。
紙・印鑑 ウン十年変わらぬアナログ地獄!
この令和の時代において、化石のような手続きが今なお行われる国、日本。
事業を興してがんばってやっていくぞ〜!と意気込む経営者の出鼻をくじく天才、法務局(笑)
皮肉のひとつも言いたくなります。
さて、
HP迷路の次は、アナログ地獄です。
紙に印刷し、あちこちに会社の実印。
しかも必要な書類が何なのか、超絶文字だらけで説明されているのでわけわからん…。
法務局に直接出向いて申請
忙しい仕事の合間を縫ってタクシーに飛び乗り、九段下の法務局まで。
そして窓口で聞きました。
今の私の会社の事情を話して、必要な書類が全部揃っているか聞きます。
万が一足りない書類があっても、近くのコンビニででプリントアウトして持ち込めばOKなように、印鑑や現金など、必要なものは持ち込みます。
長く伸びたセーターの袖口からほんのちょっぴり指先だけを出した、大学生みたいな若いお兄ちゃんの担当者でしたが、まぁ窓口でいつも対応してるんだからわかるだろう、と質問しました。
「あ、はい〜 全部必要書類揃ってます。では受理します〜」
と、私の資料を一瞥しただけで書類が全部揃っているとわかるなんて、若いにーちゃんやるじゃん!と心の中で小躍り。
そこから5日後、足りない資料があったからもう一回法務局に来いと…
そこから5日後。
見知らぬ番号から電話があり、応答すると、テープ再生かと思うほど棒読みの声で、
「足りない資料があったので、もう一度法務局に来てください。
来ないとこの申請は通りませんよ。」
と。
ちょと待て!
この倒れそうなほど忙しい中、もう2度とこんなペーパーワークに時間を取られたくないから、直接出向き、あの兄ちゃんに念押しで確認して提出したのに、なんで?
という気持ちが湧き上がります。
しかも、現在契約を進める中で、どうしてもその2日後までに新しい住所での謄本が必要だから急ぎ行ったというのに…
電話口の人に、
・窓口で確認をした時に、これで書類は揃っていると言われた
・急ぎで私は2日後に新住所での謄本が必要
・だからこそ余裕を持って申請している
・今日か明日法務局にまた来て、と気軽に言われても、もうスケジュールぱんぱん
と事情を話すも、壊れたテープのように、マニュアル通りのことを棒読みするだけ。
法務局って、中小経営者の邪魔したいの?
とすら思えるほどに杓子定規でアナログで、人間味のないやり取りに泣きそうになります。
6年前まで住んでいたシンガポールでは、あらゆる行政サービスのDX化が進み、会社設立からビザ申請、納税から何まで全部がオンラインで超シンプルでした。
そんな時代を一度過ごしてしまうと、日本のこのやり方を突きつけられると、アレルギー反応で体じゅうの骨が錆びつきキシキシいい始めて思考が停止しそうになるのです。
このまま黙ってやり過ごすか、それとも…
うん、ちょっと何か言ってみよう。
「お電話口の方に言っても仕方ないかもしれませんが、
さすがに、HPも酷い、窓口もひどい、申請までのプロセスもひどい、電話の応対もひどい…こんなんじゃ日本の経営者を困らせようとしてるとしか思えないですよ。」
そう伝えると、またテープのように
「そうしたお声は法務省のHPのご意見箱に投稿できますのでそちらへ」
と棒読みで言われ、もうこりゃダメだと電話を切りました。
悔しいけれど、翌日の予定をいくつかキャンセルして法務局へ。
窓口のお兄ちゃんも、相変わらず長い袖から指先だけちょこっと出して、奥の方でうろちょろしてました。
「仕事中でしょ!ちゃんと手を出しなさい!」
なんて、お局みたいなことを言いたくなるも我慢w
だけど私自身も、こうゆうことが自治体でも、省庁でも多発しているのに、どこか
「まぁ、国/自治体だからしゃあないか…」
と諦めてきました。
小さな声かもしれないけれど、ちゃんとこの件を含めて法務省のご意見箱には投稿するつもりです。