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地球=鎌倉幕府説


ちょっとまって!?現代の地球、鎌倉幕府みたいじゃない!?!?!?


 というわけでこんにちは。じゃくしゃです。
 突然だが、あなたはなぜ鎌倉幕府が滅亡したのかを知っているだろうか。

 正解は
『土地不足により御家人たちの生活が苦しくなり、不満が高まったから』である。

御恩と奉公

 二代執権義時の頃、承久の乱での勝利をきっかけに、鎌倉幕府の支配は日本全土に及んだ。幕府と御家人は御恩(御家人に土地を与える)と奉公(幕府のために戦う)の互恵関係によって成り立っていたので、承久の乱の際に相手方の御家人らから没収した土地はほとんど全て御恩として幕府方についた御家人に与えられることになる。

 そして、時が経ち、八代執権時宗の時代になり、元寇(蒙古襲来)と呼ばれるモンゴル・中国連合軍の襲撃事件が起こる。御家人たちの健闘の甲斐あって何とか元軍を撃退し、防衛に成功した。

 御家人たちは国(≒幕府)に対して尽くしたことになるので、奉公の対価としての土地を幕府に要求する。しかし、それまでの戦と異なり、幕府は元から土地を勝ち取ったわけではない。あくまで撃退したにすぎず、御家人たちに対して与えられる褒美がなかったのである。

 加えて、当時の土地は完全分割相続(5人兄弟なら、親の領土を5分割して兄弟全員で相続する)が原則であったので、世代を経るにつれて御家人一人当たりの土地が少なくなっていった。

 土地は武士にとっては収入源であるので、土地が少なくなるというのは自分たちの生活に関わる死活問題だ。そして、だからこそ御家人たちは元軍の撃退に励み御恩による所領の増加を期待したわけであったが、実際には土地を貰うことができなかった。

 また、幕府は幕府で徳政令を出すなどの御家人救済措置を取ってはいたのだが、そのどれも効果が薄く、根本的な解決策を見いだせずにいた。さらに、得宗専制政治など幕府内部の腐敗も酷く、自浄作用が全くと言っていいほど働いていなかった。

 そして、その結果幕府は自分たちの派閥から離反する御家人たちを発生させてしまい、後醍醐天皇・足利尊氏を中心とする朝廷軍に敗れ滅亡してしまうのである。

 (その後、後醍醐天皇は「おれたち皇族が最強だった平安時代の政治を取り戻すぞ!」と張り切って天皇親政を開始したものの、平安流、いわば公家皇族のやり方に固執するあまり武士の所領安堵を行わず、さらに武士たちの慣習をガン無視してしまう。その結果足利尊氏ら御家人たちの反感を買い吉野に追われ、南北朝鼎立の時代に突入。日本最大のお家騒動に。室町幕府三代将軍義満の時代には南北朝の統一が行われ、一時的に平穏が保たれるも、今度は室町の将軍家がお家騒動を起こしたことがきっかけとなり日本全土が戦火に巻き込まれ、戦国乱世に突入…といった具合に進んでいくのが史実である)

デジャヴ

 さて。ここまでが鎌倉幕府の顛末である。だがこの流れ、見覚えがあるという人はいないだろうか?

 そう、現代社会と瓜二つなのである。

 市場というパイを取り尽くしたことによって経済発展が行き詰まっている現状は、御恩に与える土地が不足して御家人たちの不満を喚起した点に類似している。

 加えて、分割相続↔物価上昇と賃金上昇の不釣り合い、という要因の違いこそあれ、国民の経済力がやせ細っていきそれが政府批判に繋がっているという点も鎌倉時代にそっくりである。

 さらに、大局を見ず、目先の選挙と政局の戦いに終始して政治が国民から離れていく様は得宗専制政治時代の政治腐敗に通ずるものがあるのではないだろうか。

今後どうなっていくのか

 歴史は繰り返さないが韻を踏む、なんていう言葉があるが、現代が鎌倉幕府だとすると、今後の世界はどうなっていくのだろうか。
 簡単にではあるが、考察してみた。

 現代社会がかつての日本と同じ道をたどるとすると、あくまで推測だが、まず、現在政治権力を握っている勢力が潰れる。後醍醐朝にあたるのは石丸やトランプのようなポピュリストかもしれないし、もっと別の新興勢力が立つのかもしれない(政治的に極端な思想をもった勢力であることは間違いない)。

 極端な政治の変動は反動を引き起こすため、その政権も結局短命に終わる。さらに、反動保守的に現在の保守派の流れをくむ者がまた政権を取り戻すが、政権基盤がぐちゃぐちゃになった旧保守派は体制を固めきることができず、政府そのものが崩壊

 たどり着くのは実力主義と戦乱の時代である。この先にどのような秩序が生まれるのか、すなわち織豊徳川がどうなるのかは全く分からない。その先どうなるのかも全く分からないが、トップダウンの一党独裁的・カリスマ的正統性を持った武断政治による統一の後に文治の時代が訪れ、そして政府が腐敗し…という流れはおそらく変わらないであろう。

どうするべきなのか

 素人考えでしかないが、私は、パイの拡大、すなわち宇宙進出に人類の将来を賭けるべきだと考える。

 結局何が問題なのかというと、パイそのものが小さすぎて全員に平等に与えるだけの体力が国ないし地球にないことなのだ。今のところ宇宙進出には(地球民同士での内紛はあれど)対外侵略という形を取らずに済みそうであるし、多少時間とコストがかかるとしても、我々人類は宇宙開拓を勧めなくてはいけない

 衛星を使って太陽エネルギーで発電する技術は必ず必要になるし、周辺惑星の地中資源を回収し運搬するシステムも今後欠かせないものになるだろう。
 さらに、宇宙進出のための時間稼ぎとしての環境政策も必要なことだろう。リソースの循環の効率化の観点でも得られるものがあるかもしれない。

 そして、国連以外の宇宙開拓に関する国際的な機関の設立など、色々できることはあると思う。難しいのが各国の安全保障と技術協力のバランスであるが、存亡の危機なのでそんなことを言っている場合ではない。核規制と一括で宇宙船や衛星の維持管理をやるクソデカ権力にしてしまえばいいのではなかろうか。(鼻ほじ)

おわりに

 以上、今後の展望なども考えつつ「地球=鎌倉幕府説」について考察してみた。
 宇宙開発にあたって一番大変なのが大国どうしでの相互安全保障と折り合いになるだろうから、そこをまずどうするか考えるべきだし、この際今の大国同士のバランスゲームも辞めて地球市民として一緒に協力できる世界になればいいなと思う。おわり。


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