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Neurodiversity (脳神経多様性)について、子供とカナダで過ごして感じたこと。

今日の日本では自閉スペクトラム症、注意欠如・多動症などをまとめて「発達障害」や「学習障害」と呼ぶことが一般的だと思う。欧米でも数年前までは"Learning Disability" "Developmental Disability" (disability = 障害)という表現が頻繁に使われてきたが、最近は"Learning Differences" だったり "Neuro Diverse " という多様性として捉える表現が増えてきたように感じる。このトピックに関する幾つかのフェイスブック上の保護者グループに参加しているが、最近は"Neuro diverse child" "ND kid" という表現をよく見かける。能力の欠如を示唆する「障害」ではなく、あくまで「人間のゲノムの自然で正常な変異」による特性であり、脳や神経の多様性として捉えるという動きで、私は強く賛同する。

仕事で昨年まで、一年足らずの期間バンクーバーに滞在した。子供たちは現地の公立小学校で2年生と4年生を過ごした。日本の小学校で一般的な「通級」と「特別支援級」などはなく、車椅子の子供も、脳の特性がある子供も、みんな同じ教室で学ぶ。各クラスの担任の他に"Resource Teacher" という肩書きの先生が、特別支援("Special needs") を必要とする生徒の追加サポートをするシステムだった。Resouece Teacher は脳神経多様性からくる様々な特性にも詳しく心強かった。担任の先生と、Resource Teacher と保護者で話し合いながら、生徒の状況、ニーズ、目標などをまとめたIndividual Education Plan ("IEP"個人教育プラン) という書類を作成し、学校側はその内容を指針として生徒をサポートする。IEPは常に更新され、新しい担任や学校などに引き継がれていく。効率的だと感じた。うちの場合はコロナ禍による混乱や教師不足という状況で至らなかったが、言語聴覚士によるセラピーを受けることもできたそうだ。又、コロナ禍で、授業参観などの行事がキャンセルされてしまったのが残念だったが、終始、Disability(障害)ではなく differences/diversity (違い、多様性)という表現だったのが、とてもありがたかった。


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