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中学受験をしない小学6年生はGCSEとSAT数学のお勉強 4か月目

中学受験だけが小学校6年生の進路選択ではない。


小学校の時から、自分の子供が偏差値を気にしながら、模擬試験で誰かに勝ったとか負けたとか、また、本番の受験で不合格を経験させたくない家庭もたくさんあると思います。(もちろん私たちの子供たちはそのような中学受験や高校受験の経験は一切していません。)


ただ将来の大学受験を考えると。


そのうえ、中学受験では、例えば算数であれば、小学校の範囲からのみ出題されるので、角度の問題や鶴亀算のような問題のオンパレード。これって、将来の大学受験に備えることを考えれば効率が非常に悪いですよね。おまけに、ほとんどの中学校では英語の試験は行わないので、中学からの英語の準備も出来なくなるわけです。


現在小学6年生の生徒の家庭教師をしています。中学受験をすることもないので、算数、数学の勉強を自由にやらせてもらっています。すでに英検1級を合格しているので、日本の時代遅れの数学ではなく、海外のいろんな国のテキストを使って教えています。


今日は、現在4か月目に突入した数学の勉強ですが、今までどのような勉強をしてきたかを簡単に説明出来たらと思います。


まず学習計画。


1年以内にイギリスのGCSEのテストで8割の点数を取る。また、2年以内にGCSEとアメリカのSATのテストで満点を取れるようにする。


GCSEはイギリスの高校1年生が受験するテストで、出題範囲も日本の高校1年生の数学の範囲が出題されます。一部は高校2年のレベルもあります。イギリスの大学進学を目指す生徒は誰もが受験するテストです。


SATはアメリカの大学受験に提出が必要な英語と数学の基礎学力を確認するテストです。アメリカの高校3年生だけでなく、世界のアメリカの大学に入学希望する生徒は、SATまたは他の指定されたテストを受けて受験申込する必要があります。SAT数学の出題は日本の高校1年生と高校2年生の一部の範囲から出題されます。


つまり、5年以上の数学の範囲を1年以内に完成させなければならないので、日本などの数学の教える順番通りやっていたら間に合いません。ですので、私が今まで同じような小学生や中学生で英検1級を合格した生徒に教えた経験を踏まえた学習順で行うことになります。


テキストは英語のテキストを使う。


英語のテキストを使うのは英検1級を取得しているからでなく、英語のテキストの方が教える効率がいいからです。

無理に英語のテキストで教える必要性は当然ありません。あくまでも数学のレベルを上げる最善の方法を選んだ結果です。


日本の数学用語の多くは英語を和訳した形で使っています。


例えば、平方根だと一体何?という形になります。余弦定理とか、正弦定理など何を学ぶか本当にわからないわけです。


平方根ではなく、SQUARE ROOT 余弦定理ではなく、COSINE RULEと考えればわかりやすいです。


何よりも、分数がややこしい。


2/7はいくつですか?と言われてもピンときません。しかし、英語では2/7は2 DIVIDED BY 7とも読みます。つまり、2÷7ですのでだいたい2.7くらいと想像しやすいわけです。


そういうこともあり、英語力がある程度ある生徒や、英語力を伸ばしたい生徒には生徒の説明理解が高くなるので、積極的に英語のテキストで教えています。思っている以上に生徒は抵抗感なく学べますし、効率も間違いなく高いです。


最初の1か月はIBのMYP7のテキストで能力チェック。


最初は、IBのミドルイヤープログラムの中学1年生のテキストを使って勉強します。これは、まず中学1年生のレベルの勉強をする。ということが目的ではなく、生徒の学力、特に得意な分野と不得意な分野をしっかりと把握することと、間の取り方など、本人のペースを確認する。がメインです。


LINEでの授業で声だけで授業を進めるので本人の数学における時間の使い方をチェックして、今後の計画を早く作りたかったのと、女子生徒の場合は、数学の中にそれぞれ得意と苦手がはっきりしている場合が本当に多いので、数学と考えるのではなく、理科や社会のように、物理、生物、化学と教科が分かれているのと同様に代数、幾何、統計、総合力などそれぞれの認識力をチェックするための時間として使いました。


何よりも優先して、平方根(ルート)√を理解させること。の大切さ。


中学生に数学を教える場合、ネックになるのが平方根、つまり√の勉強。実は、平方根は中学3年生で学習する単元なんです。また、三平方の定理は中学数学の最後に勉強する単元ということです。


平方根、つまり√(ルート)の計算ができないことで、二次方程式の問題は制限されてしまいます。


ルートを覚える



当然基礎的なことから、計算問題など最初に勉強するのですが、√(ルート)は、あくまでもSQUARE ROOTであって、2乗という意識を植え付けることが大切です。なので三乗根つまりCUBE ROOTなども理解してもらいます。


多くの日本人の中学生や高校生が忘れがちな√(ルート)の勉強の大切なこと。


数学を高校生から教えると、多くの生徒が平方根の基礎的なことが理解できてないことに気が付きます。


2√6ってだいたい小数点で表すとどのくらい?


だいたい2√6は小数点で表すと、±4.9くらいになります。


√25が±5なので、2√6は√24となるので、時間をかければわかる人も多いと思いますが、瞬時に2√6をすぐに約4.9と答えられる生徒がとても少ないわけです。


数学の場合は、ある程度、答えを予想した上で問題を解くこともとても大切なので、このようなことも含めて、√(ルート)をまず最初に教えました。


2か月目にはルートの約分を



3か月目にはルートの有理化を段階的に教えました。



日本の数学の場合は単元を本当に大切にするカリキュラムです。ただそうすると、せっかく2次関数を覚えても、その次に関係性の薄い相似な図形を学ぶと、どうしても、せっかくの二次関数も忘れてしまいます。


ですので、ルートも定期的に難しいレベルを段階的に教えることで確かな理解力を付けていくようにしています。


2か月目には、円周角、三平方の定理を中心に


1か月後に単位円(ユニットサークル)を使って、三角関数の基礎を学ばせたいということもあって、円周角と三平方の定理を教えました。


円周角の勉強では、なぜ円周角は中心角の半分の角度になるかを理解することを中心に教えました。



中心角から二等辺三角形を作ることや円の性質をいろいろな角度から学ぶことによって、将来的には三角関数を理解することや、円の方程式を理解することを念頭に置いて教えました。


三平方の定理は平方根の計算が確実になったところで教え始めました。


当然基礎的なものを最初に理解してもらいました。



その時に、三角定規の30,60,90と45,45,90の直角三角形の辺の長さの比率をしっかりと暗記するように伝えました。これは三角関数を意識してのことです。


三平方の定理を学ぶことによって、平方根の計算をさらに確実なものにしていくこともできるわけです。


3か月目前半は三角関数の基礎を理解すること。


三角関数の一歩目はSOH CAH TOA


英語圏の学校で学んだ生徒にはおなじみなSOH CAH TOA(ソー、カー、トア)



Sine=Opposite/ Hypotenuse , Cosine=Adjacent/Hypotenuse , Tangent=Opposite/Adjacent 頭文字で SOH CAH TOA です。


そして、斜辺を1とした時の対辺の長さ割合の長さや隣辺の長さの割合などが三角関数であって、その形をグラフで表したものが単位円(ユニットサークル)ということになります。



60度の直角三角形であれば、斜辺が1の場合、対辺は√3/2であり、隣辺は1/2ということになるわけです。これは、先月の三平方の定理の時にみっちりとやっておいたことで、すんなりと理解ができるわけです。



また、60度の直角三角形と、30度の直角三角形は向きを変えただけなので、そのように考えると、


sin 30 = cos 60になるわけで、つまり、そのような形からsinθ=cos(90-θ)となるわけです。


そうして、三角関数の基礎がわかったところで、三角形の面積が1/2 ab sinCであることが理解してくれるところまでで、今回の三角関数は終了しておきます。それ以降の余弦定理や、加法定理、倍角の公式などは進度に合わせて勉強する時期を計画します。


三か月目後半からは代数を始めます。


とりあえず、指数の法則を代数を学ぶ前に理解しておきます。



ルートは分母で、マイナスは逆数(つまり分数)、0乗は1であること。など基礎的なことをしっかりと把握しておきます。


一次方程式は分数の計算を主体に。


一次方程式はここまで、このレベルまでやっておくと、やることは分数の入った方程式と、a=の式をb=で解いたりすることが主体でそれほど難しいことはないと感じました。


二次方程式は4つのパターンを一緒に覚える。


因数分解で解く

解の公式で解く

x²の係数が1ではない式を解く


ここまでは中学3年生の問題です。



x²の係数が1ではない二次方程式は、小学生や中学1年生2年生に教える場合は、たすき掛けではなく、私独自の方程式の解き方で教えています。



そして、高校1年で習う、平方完成。



この平方完成はx²の係数が1の場合と、それ以外の整数で分けて、それぞれ理解してもらいます。特に係数が1以外の時は解き方も複雑になりますが、それをしっかりと理解して、早く、そして正確に解けるようにすることがとても大切です。


因数分解の最初の基本はD.O.T.S


a² - b²の因数分解の公式では思っている以上に頻繁に登場します。これを英語圏では、D.O.T.S(ドッツ)と呼んで覚えます。The Difference Of Two Squares です。これは因数分解の一つの印象深い形の式であるだけでなく、√(ルート)を使うことによって、アルファベットの2乗−数字の2乗がどのような形でも使えるので、因数分解を理解する入り口の問題としていい問題です。


文章問題や高度な計算問題はまだ勉強しない。


この4か月弱を通して基礎的な計算問題に終始しました。数学を学ぶ上で私が一番気を付けていることは、テストで高得点を取るためにテクニックに走ってしまうことです。どうしてもテストで高得点を取るためには、難しい問題を正解して得点を取ることに自然と力を入れてしまいます。そのために、基礎がおろそかになってしまうことです。


二次方程式をしっかりと理解してから二次関数のグラフを学ぶ理由


因数分解や二次方程式をやった上で同時に二次関数も学ぶ方法がいいように思うかもしれませんが、二次関数は、因数分解がx軸との交点であることをしっかりと理解した時、平方完成が頂点であることをしっかりと理解した時に計画を立てたいと考えています。


また、解の公式がなぜ成り立つかをしっかりと理解した上で二次関数をやらせたいとも考えています。これは、解の公式を理解する上で、aの係数が1以外の平方完成の応用形が解の公式のベースになっていることを理解する必要があります。


どうして解の公式が

になるのか。このようなことは、本当にしっかりと理解しておかなければならないわけです。公式の証明は、授業や課題などで海外の高校では必ず学びます。

解の公式だけでなく、高校数学で習うレベルの公式は必ず証明できるようにしておいてもらいたいと思います。

So far so good !


今までに小学生や中学生に英語で高校レベルの数学を教えたことが非常に役に立ちました。また、SATで800点を取った生徒や東京大学の理系の数学や国立医学部の数学を突破した生徒がこのようなやり方を中学の時にやっていたので、


女子でも数学の大学模試で80以上を取れる。


という経験を何度か経験してきたことが大きかったです。


まだ3か月ちょっとしか経っていませんが、目標に合わせるのではなく、生徒のペースに合わせてしっかりとサポートできる教え方を続けていこうと思います。

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