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JASTPRO DXの道 第2話「IT化とDXの関係は?」

【初出:月刊JASTPRO 2021年12月号(第512号)】

根本的な課題。それは、IT化とDXの違いを良く理解して取組みを進めているのか、という点です。前回のとおり仕事のIT化を試みてはいるものの暗中模索。そんな中で若手が数名入職し、当協会の紙の多さに閉口してワークフローシステムの導入検討も始まりました。しかし、冒頭の疑問はずっと心中くすぶり続ける毎日でした。

本連載の主題であるDX。すっかり人口に膾炙した言葉ではあるものの、私の感覚では今も「デラックス」。「デジタルトランスフォーメーション」を意味するということですが、なぜトランスフォーメーションが「X」なのか? そして当協会のIT化に向けたチャレンジは、DXとは違うのか?

この疑問を、改めて調べてみました。IT化は「省力化、効率化、自動化」などを実現すること。一方DXは、経産省によれば「企業がビジネス環境の激しい変化に対応し、データとデジタル技術を活用して顧客や社会のニーズを基に、製品やサービス、ビジネスモデルを変革するとともに業務そのものや、組織、プロセス、企業文化・風土を変革し、競争上の優位性を確立すること」とのこと。うーん? 正直まだよくわかりません。

そんな中、新戦力となった若手職員は次々とIT化の施策を打ち始めます。そこで、この疑問をぶつけてみました。返ってきた答えは「IT化はDXの下支えなんです。IT化はDXの必要条件だけど、十分条件ではないと考えています」というもの。

なるほど、明快ですね! つまり、まずはIT化を進めること。それがDXへの道そのものであると理解いたしました。

思い返せば、かつて「アナログ人間」という表現を免罪符にしてIT機器の利用を避けたがる人たちがおりました。以前勤めていた職場でワープロ(!)の操作説明会が行われた際、講師の方が「どんどん触って覚えましょう」と笑顔で呼びかけた際、積極的に触るのは若手職員、触らないのが年配の管理職だったことを思い出します。一方で、最近こんなエピソードも聞きました。幼稚園の教室にタブレットコンピュータを置いたら、見たことも聞いたこともなかったのにみんな興味津々に寄ってきて半日もしないうちにすっかり慣れて遊んでいたというのです。

ITは怖い、難しい、避けたいというのは遠い昔のお話。今のITはとてもフレンドリーで便利なもの。そんな認識で取組みを続けていけば、それがDXへの道となって、新しい価値を皆さまにお届けできる日が来るのではないか。少し、光が見えてきました。(つづく)

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