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【日本学術会議_法改正問題】内閣府担当官が会議側に法改正の検討状況を説明

2023年4月5日
日本科学技術ジャーナリスト会議 事務局長    滝順一


 日本学術会議の幹事会が4月5日午前にオンライン開催され、政府が国会提出を目指している学術会議改革法案の検討状況について内閣府の担当官が説明した。梶田隆章会長ら学術会議幹部からはアカデミアとの対話なき法改正に重ねて懸念が示され、4月17、18日の臨時総会で具体的な法文案を示すよう求めた。

  内閣府の担当官が改革法案に関し学術会議で説明するのは昨年12月以来、これで4回目。「会員選考への介入で学術会議の独立性を脅かしかねない」と学術会議側が強い懸念を抱く「選考諮問委員会(仮称)」に関し、担当官は学術会議会長が委員を任命し委員会と学術会議の意見が不一致の場合は最終的に学術会議会長が決める権限を持つことになると説明した。説明内容は前回(2月16日)と大きく変わらず、政府が「(選考に介入する)考えは一切ない」と念を押した格好だ。

  また改革法で作成が求められる「中期的な事業運営計画」に関し、担当官は学術会議が自主的・自律的につくるものであり独立行政法人の中期計画のように「事細かに書き込まなくてもよい」との見解を示し人員や予算などリソースの要望に「活用してほしい」と話した。

  担当官は「(改革法の考え方は)学術会議自身が取り組んでいる改革と方向性が一致している」と繰り返し述べたが、学術会議側からは「(法案の一方的な押し付けではなく)日本の学術をより良くするため開かれた場での対話的な議論を望む」と法案策定に至るプロセスに対する不満が強く述べられ、議論はすれ違っている。また法案の具体的な文案が示されていないことにも学術会議側は不信感を示した。

  4回目の説明を経ても、改革法の国会提出自体に反対する学術会議側の姿勢は変わらないようだ。梶田会長は臨時総会に法文案の提示を求め「(示されなければ政府とアカデミアの)決定的な決裂になってしまう」と会合を締め括った。



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