COVID-19は虚血性脳卒中,とくにcryptogenic strokeの増加と関連する
<科学論文> 下畑享良教授(岐阜大学大学院医学系研究科脳神経内科学分野 )ブログより転載許可を得て掲載
※2020年11月21日時点での見解です。引用の際は最新情報にあたってください。
Ann Neurol. Nov 21, 2020(doi.org/10.1002/ana.25967)
COVID-19に関連した脳卒中の発生および転帰について報告するコホート研究を集めたメタ解析が報告された.6万7845名の患者を含む18のコホート研究が対象となった.感染者のうち,脳卒中で入院したのは 1.3%(虚血性脳卒中1.1%,出血性脳卒中0.2%)であった.感染者群では,対照群と比較して,虚血性脳卒中はオッズ比3.58,潜因性脳梗塞(cryptogenic stroke)はオッズ比3.98と増加していた.
糖尿病は,対照群と比較して,感染者群でより有病率が高かった(オッズ比1.39).感染者群における脳卒中による院内死亡率は,感染のない脳卒中患者と比較して高かった(オッズ比5.60).
以上により,COVID-19は虚血性脳卒中のリスクの増加と関連し,とくにcryptogenic strokeの増加と関連している可能性がある.また,死亡リスクの増加にも関連している可能性がある.
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