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オグロールのゾンビ生産工場【MTGAヒストリック】
オグロールというキャラクターがいる。
イニストラード出身のホムンクルスで、ルーデヴィックというゾンビ作りおじさんの助手だ。
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それなりに人気があるのか、結構カードイラストに出てくる。まあ一つ目の可愛いキャラではある。
こいつは当人もカード化されていて、アルケミー最初期の意味不明なカードの1枚である
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アルケミーイニストラードに入っている青のカードは概ねヤバかったが、こいつは輪をかけてヤバい。
あまりに能力が奇怪で汎用性が全然なく、そもそもテキストの意味を理解することすら困難で、
ネームバリュー以外だとテキストの長さぐらいしか神話レア要素がない。
しかし何が琴線に触れたのか私は当時こいつのことをいたく気に入り、デッキを捏ね繰り回した挙げ句記事まで書いている。
オグロール研究録 苔穴利用法|jassun https://note.com/jassun/n/na8cade50fdd2
このときは苔穴の骸骨とかいう謎の地味カードを使い、能力解決時にデッキトップに戻る効果とオグロールのターン開始時の切削を組み合わせてゾンビを増やしている。
変なこと考えるなぁ……。
あれ?
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こ、こいつ修正されてる!
解決されたとき即時にデッキトップに戻る効果から終了ステップに手札に戻るようになってる……!
ナ……ナーフだ(※強化です)
となると別途ノーコストルーターを用意しないといけず微妙に噛み合いが悪くなるな……。
そもそも何一つ強くないデッキであり、マナいらずの全自動で毎ターンゾンビが出てくるという面白さに全てを賭けていたため、
わざわざリメイクしようとも思わない。
というわけで苔穴型は消滅したので他のカードと組み合わせてオグロールを活かそう。
となるとこいつしかいないな……
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雑食するもの、グロルナク
これも目が滑るテキスト量だが、簡単に言うと
①カエルが殴ると3枚切削するよ。
②カードがライブラリから墓地に置かれたとき、それを追放してグロルナクがいるときだけ手札になるよ。
という2つの効果をもつ。
ちなみに②の能力は全てのグロルナクで共通なので、一匹目が数枚追放したあと除去されても、二匹目を出せば引き続き第二の手札を使える。
変則的なカエルの部族ロードみたいなもので、カエルたちが殴る度に実質3枚ドローと考えると相当強いように思える。
しかしランクマでもフリーでもこいつを見たことはない。
理由は単純で、カエルが全然おらんのである。
存在しないアーキタイプの長、当然使われない。
多相と仮面林もスタン落ちしてしまったのでもう自分で殴るしかない。えぇ……。
墓地に落ちたカードを全部追放するので、墓地参照やリアニメイト系カードと軒並み相性が悪いのも逆風。
一応スタンにも少数カエルはいるが、もうなんかオグロールの救済以前の問題でこいつの救済をしないといけなくなり、趣旨が迷子なので、
諦めてヒストリックで組むことにした。
デッキレシピはこれだ。
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役割は図に記載の通り。
ヒストリックにもカエル全然おらんのだが!?
仕方がないから多相を入れてゾンビシナジーと魔合体させている。
基本的にはグロルナクと多相1体から始動できる。
起動要員としてはこいつがかなり優秀
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1マナのブロックされないカエルなので確実にグロルナクチャレンジができて、さらにゾンビでもあるのでスカーブの強化が乗る。
グロルナクが除去されない限りはすごい勢いでドローできるため、引き込んだカードの中から多相を増やしさらなるドロー加速をしていく。
グロルナクが動き始めるとそのうちオグロールがめくれるので戦場に出す。
早い段階で出したところでありとあらゆる除去を受け死ぬだけなので、最低でもグロルナクと多相が並んでいる状況で出したい。
逆に滅びし者の勇者などは除去を吸ってくれるので、最初に出しておくことでオグロルナクを守れる。
グロルナクとオグロールが並んでいると以下の処理が行われる。
①カエル(多相)が殴ると1体につき3枚切削
②墓地に置かれたクリーチャーにオグロールが「墓地から離れたとき2/2ゾンビをタップで生成」を付与
③そのカードすべてがグロルナクの効果で追放される
④②でつけた効果が発動し、切削されたクリーチャー分だけゾンビが出る。
ゾンビ生産工場だ!!!
更に滅びし者の勇者が立っているとゾンビが出た分強化されるため簡単に爆発的なスタッツになる。
ラインが完成した盤面はこんな感じ。
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使い切れないほど手札が増えるし追放領域なので枚数制限に引っかからないのもヤバい。
注意点として回り始めると爆速で山札を掘り進めるのでカエルパンチを加減しないとすぐデッキが尽きる。すみやかにゲームを終わらせよう。
まあゾンビが際限なく増えていくのでスカーブで強化して殴れば問題ないとは思うが。
全除去だけは怖いが、一応過充電縫合体はグロルナクからめくって構えられる打ち消しなので保険になる。
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見えてる打ち消しなので集団失踪+本質の散乱みたいな構え方をされると無理だが
まあそこまで準備される前に仕留めることを考えよう。
かき消し用に2マナくらいは余らせててもいいかもしれない。
問題点としてはグロルナクを最大限に活かすためにインスタントを採用しておらず、相手ターンに動けるカードがこいつしかいないので構えるとマナが無駄になりやすい。
もう少し瞬速クリーチャーを増やすか、諦めてインスタント除去を入れて対応力を上げてもいいかもしれない。
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リトヤラの熊々はグロルナクから置ける除去という点もえらいが、それ以上に第二章が強力。
先ほど紹介したアンブロ多相がいる状態で起動すると4/4のアンブロゾンビカエルになる。
シンプルに5回殴ればゲームが終わるため、なかなかの圧をかけることが可能。
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縫合された助手はグロルナクから唱えられるドローかつゾンビとして採用。
ソーサリータイミングの2占術1ドローなので弱いが、クリーチャーであるためオグロールの誘発のタネになるところが重要。
ドロー量的にはゾンビサソリのほうが良いが、なにげにこいつはアルケミーになって強化されているし、せっかくだから使ってあげよう。
2マナになって3マナ帯と干渉しなくなったのが偉い。
まあどうせグロルナクが始まったらアホほどドローできるから、量より質のほうが大事だろう。
というわけでオグロール救済デッキです。
ほんとうに?本当にこれしかないんか?
一応決まれば面白い動きはできます。クッソ遅いけど。
でもこの速度でゾンビ生成ができるコンボ、他に思いつかないんだよな。
オグロールからゾンビを展開するには
①切削、ハンドから捨てる手段
②墓地から蘇生、回収、追放する手段
の2つが必要な訳だが
この機能が一つにまとまっているのがグロルナクの偉いところ。大概切削カードとリアニカードの2枚コンボみたくなるからね。
このデッキではオグロールを機能させるためのカードがグロルナク1枚で他のシナジーを一切排除した代わりに、オグロールもグロルナクもいなくても普通のゾンビビートダウンとして振る舞えるようになっている。
一応双方とも相方を探しに行ける能力持ちなのでコンボの安定性は意外と高いし、デッキの自由度もそれなりに高い。
意外と面白いので変な目玉と変なカエルを大量に当ててしまった不憫な人にはオススメ