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スラッシュアックスのススメ

モンハンライズ体験版が配信されてからというもの、モンハンをやっている時以外の記憶が無いくらいモンスターを狩っている。

ライズをやったことで一つ問題が生まれた。
操作があまりに快適でダブルクロスに戻りたくなくなってしまったのだ。
結局モンスターハンターワールドのDLC「アイスボーン」を買うに至り、身内に偶然いたプロハン達に助けられ(寄生し)紆余曲折あった後ラスボスのギョロ目岩太郎の討伐にこぎつけた。

とりあえず一段落ついたが、なんかアイスボーンはここからが長いらしくおののいている。

と、近況報告だけで終わってもいいのだが、あまりに味気ないのでライズ体験版に絡めた話を一つしようと思う。

 

スラッシュアックスいまむかし

全国3億人のスラアク使いの皆様、ライズスラアクの使用感はどうだろうか。

僕としては「剣と斧を組み合わせた立ち回り」というのをこれまで以上に意識する必要が出てきて、変形武器としての楽しみが増えたように感じる。
まあワールドより難しくなってるんだけど。

 

スラアクはいつでも変形武器だろとお思いの方もいるだろう。
既に使い込んできたオタクしか聞いてもわからないであろう新スラアク語りの前に、
この剣斧という武器の歴史について話しておきたい。

歴史とは言うが1ハンターの主観的な思い出にすぎないので、事実と違う点があっても「ああ、こいつはそう思ってたんだな。」と流してください。

 

僕が初めてスラッシュアックスという武器に触れたのはモンスターハンター3(tri)だった。
当時、既存武器の半分ぐらい(双剣、笛、銃槍、弓)をリストラした上ボウガンを3パーツに分けるとかいう、だいぶえげつない確変をした武器種の中に颯爽と現れたのがこいつである。

斧モードで貯めたスラッシュゲージを剣モードで開放!強力な連撃を叩き込め!

鳴り物入りで登場したのはいいが、武器のリストラで各界隈がお気持ち表明しまくっていたのでそもそもスラッシュアックス使ってるやつがいたのかどうかよくわからん。
結局あんまり目立ってなかった気がする。

しかもこの武器が最初から作れず、村3か4ぐらいまで行ってからようやく作れる武器だったので「まあ……ここまで来たなら大剣のままでええか……。」ってなった。僕はね。

 

この武器ダメなんじゃねぇかな

密かな良武器枠であるなら何も言うことはなかったんだが、
「モンハンの新武器種が出ると調整不足で荒れる」という伝統芸能にこいつも乗っかってしまった。

なんかこう……使いにくかったんだよ!!!

明確な問題点として斧が剣よりあきらかに弱く、斧にしかできないことが大してなかったので「斧は剣になるまでの枷」以外の何物でもなかったのだ。

「変形機構で異なるモードを使いこなしスタイリッシュに狩りを遂行!」を期待していたら
「弱い斧モードをしばらく使ったら強い剣モードをつかわせてやるから頑張りな」だった。
剣モードは弾かれ無効だからな……誰も斧使いたくねぇよ。

 

さらにビンの差別化もうまく行っておらず、端的に言って「強撃ビンが強すぎるからそれ以外全部産廃」というひどい有様。
まあ強属性ビンはまだマシなんだけど滅龍ビンとか麻痺ビンとかは完全に産廃。

この「斧モードはデバフ」「強撃一択環境」の2つの呪いは結局ワールドで一新されるまで延々引きずることになる。

ただ、斧は高所に届く攻撃があるので飛竜の撃墜したいときなどはそこそこ用いられた。

 

そしてスラッシュソードへ

一応色々と使いやすくする方向へ改変を重ねてたようなのだが、あまり有効な打開策がないまま時代を重ね、剣と斧の格差、そして強撃ビンとそれ以外の格差はモンスターハンターXで最大になる。

クロスでは武器ごとに「狩技」という必殺技を得たが、スラッシュアックスが得てしまった「剣鬼形態」「エネルギーチャージ」という2つの狩技が悪魔的シナジーを生み出してしまった。

簡単に説明すると
剣鬼形態:剣モードだとビンの効果に倍率がかかり、爆発的な火力を得るが、スラッシュゲージを消費し続ける状態になる。リロードも無効。
エネルギーチャージ:スラッシュゲージを最大まで回復する。例え上記の剣鬼形態であっても。

つまりこの2つを組み合わせると無限に剣モードにし続けれる上火力がバカみたいに上がる。

斧いらんやん!!!!!!

しかも剣鬼形態は攻撃力を上げるのではなくビンの効果を上げるので、火力につながるのは強撃ビンだけである。

強撃ビン以外いらんやん!!!!!!

一応強属性ビンも火力を上げるが……諸々の計算の都合上、結局実際の火力では強撃に大きく水をあけられていた。

 

どうしてこんなことになってしまったんでしょうか。
狩りの間ほぼアックス要素のない立ち回りが許されるようになってしまったので、スラッシュソードと揶揄されていた。変形武器はどこ…………。

さすがにヤバいと思ったのかダブルクロスでエネルギーチャージが弱体化し、新たに斧モードだけを強化する「テンペストアクス」が実装され、一応スラッシュソード無双にはならなくなった。

 

New!スラッシュアックス

ワールドでようやく「これもう斧モードを根本的に強化しないとどうしようもないべ」と気づいたらしく、大改修がなされた。

重要点だけ抜粋すると
・斧だと太刀並みに軽快な挙動になり、納刀も早く、スラッシュゲージの増加も増えた。
・剣は今までよりも鈍重になり、スラッシュゲージの消費も増えたが、さらに定点攻撃が強くなった。
・変形攻撃があらゆるところから繋がるようになり、さらに変形攻撃だとスラッシュゲージがかなり回復するようになった。

完全に機動力の斧、瞬間火力の剣となり、トライから苦節8年ようやく完全な差別化に成功した。

変形攻撃が気軽に挟めるようになったため、ブラボの変形武器の如くガチャガチャした挙動を実用的に用いることができるようになった。
カッコいい……!カッコいい武器だこれ……!!!

今までどうにもコンセプトが死んでるような感じを覚え、使ったり使わなかったりして適当に接していたが、この新生スラッシュアックスに完全に惚れ込み、ワールドのメイン武器にするに至った。

 

新スラアクにはさらに“覚醒ゲージ”という概念が生え、MAXにすると“高出力状態(以下ややこしいので覚醒状態)”になるようになった。
まあ鬼神化して殴ると鬼神強化状態になる双剣みたいなものだが、鬼神強化のように極力戦闘中維持し続けたいようなものではなく、
チャンス時に火力を高めるボーナスタイムみたいな意味合いが強い。

この覚醒がビンの差別化に大きな影響をもたらした。
簡単に言うと「弱いビンほどすぐ覚醒する」ようになったのだ。
滅龍ビンや減気ビンといったしょうもないビンは少ない手数で覚醒でき、その分継続火力が上がる。
最強の強撃ビンは覚醒が遅れるのでチャンス火力が下がる。
強撃ビンの補正が下げられ続けた甲斐もあり、実質的な火力差を縮めることにやっと成功した。長かったなぁ……。

覚醒状態だと属性開放突きが“零距離開放突き”となり、モンスターに張り付いて剣をぶっ刺し、その状態でビンエネルギーを爆破させるメチャクチャ派手な攻撃をする。
これがマジで気持ちがいいし、これをやるためにスラアク使っているところも半分ある。

 

スラッシュとアックス

アイスボーン(以下IB)では更に斧にも斧強化状態という新たな力が生えてきた。これにより
・斧メインで斧強化を維持し堅実に戦う
・剣メインでガンガン覚醒を狙っていきで火力を出す。
という二通りの立ち回りが明確に分かれた。

分かれたのはいいがこれ微妙に煩雑である。

 

一応言っておくとIBのスラアクは過去最高に強い。クラッチ攻撃で軽率にモンスターの肉質を軟化できるようになったことでもはや「肉質硬いから剣使うしかない」ということすらなくなった。
実質破壊王がつく斧強化でバカスカこかせるようになったのもあり斧モードが本当に強い。斧一本で戦えちゃうぜ!

じゃあ剣が弱いのかというとそんなことは全く無く、クラッチ張り付きと装衣を用いて零距離開放突きを連射するメチャクチャな戦法(通称パンパンゼミ)が確立されそれはそれで強い。

 

強いならいいじゃないかと思うが、
この状況、「剣と斧の変形武器を担いでいる」のではなく「剣と斧をそれぞれ担いでいる」のに近い。
平常ロングソードで立ち回ってて、苦手な敵には裏からグレートソードを出してくるダクソ式……と書いて伝わるだろうか?

それぞれの強化状態がお互いに作用しあわないのはなんとなく気持ちが悪い。まあ強いから使うが。
斧が弱いなら弱いで問題、強いなら強いで問題(問題というほどでもないが)けったいな武器である。

ちなみにスラッシュゲージ消費が激しすぎて剣一本で戦うのはほぼ無理である。あくまでチャンス火力。

 

ライズしたスラアク

さてようやくライズ版スラッシュアックスである。

こいつがまたかなりの量の改変を引っさげてきた。

以下ぱっと目につく変更点
・覚醒ゲージの貯まりがかなり遅くなった
・斧強化削除
・代わりに斧の強化叩きつけで覚醒ゲージの貯まりを加速できるようになった。
・剣のスラッシュゲージ消費量が抑えられ、火力が上がった
・斧のフィニッシュ火力が全体的に落ちた
・覚醒時、斧の火力も上がるようになった
・零距離解放突きにスーパーアーマーがつくように

まーた別の武器になっとる。
まず、ワールドの頃はバカみたいに簡単に覚醒ゲージが貯まっていたので「通常の立ち回りを全て斧モードでこなし、モンスターがコケたときだけいそいそ剣に変えて覚醒→零距離解放」という「パリィ取れたときだけグレートソードに持ち変える」ような動きをしていたが、ほぼほぼ無理になった。

チャンス一回で覚醒できねぇ!クソゲー!
と反射的に憤慨するのはちょっとまってほしい。斧モードの強化叩きつけで覚醒ゲージの貯まりを早めることができる。(それでもワールドスラアクよりは遅いが)

そして一度覚醒すると斧の攻撃力も上がる!これはマジで偉い!

 

つまりは狩猟の流れとして
基本的に斧を維持し、スキあらば強化叩きつけで覚醒ブースト

モンスターの攻撃の合間を縫って剣モードの攻撃を刺し込んでいき、覚醒ゲージを溜める

覚醒した後、もしチャンスであるならば覚醒剣での猛攻!スパアマつきの零距離解放突き!!
スラッシュゲージが心もとないなら覚醒斧で堅実に立ち回り、強撃ビン以上の火力が出るぶん回しで打点を稼ぐこともできる!

という動きが考えられる。
これ、かなり変形武器らしくねぇか?

 

確かにワールドの頃よりは立ち回りが難しくなっているが、スラッシュゲージの消費がかなり緩和されたので通常の立ち回りに剣モードを入れやすくなっている。
剣の火力も覚醒前提じゃなくなったから普通の立ち回りで打点が稼げていい感じ。

斧と剣を自在に切り替え、最適の攻撃を叩き込む!
という開発者(?)の理念にかなり近づいた性能になっているのではないだろうか。

 

更には鉄蟲糸技もかなり便利。
クロスの頃の狩技を彷彿とさせつつも、きちんと調整されており使いやすいものが揃っている。

トランスラッシュの系譜を感じさせる“金剛連斧”は、斧のみのシンプルな連撃になった代わりにスーパーアーマーがつき、気軽に咆哮無視の突進を行えるようになった。
ダメージは食らえど止まらないということで、ピンチ時の脱出にも使える。

エネルギーチャージの後継であろう“スラッシュチャージャー”は、チャージ量こそ減ったものの移動しながらの長い無敵時間で緊急回避として扱え、さらに短時間ながらスラッシュゲージが減らなくなる嬉しいオマケが付いている。

スラアクは元々チャンス火力に秀でているということで強力な移動技を揃えてくれたのだろうが、完全に正解なので糸技担当者を表彰してほしい。

 

まあぶっちゃけ初心者向けではないだろうが、ようやくアックスアックスでもソードソードでもなくなったスラッシュアックス、一度使ってみるのもいいのでは?

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